2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報に基づいた超好熱菌遺伝子発現制御システムの解明
Project/Area Number |
17350083
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
跡見 晴幸 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90243047)
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Keywords | 超好熱菌 / Archaea / Thermococcus / プロモーター / 刺激と応答 / 遺伝子発現制御 / ゲノム / 転写 |
Research Abstract |
本年度はThermococcus kodakaraensisの多糖分解・解糖系・糖新生系酵素遺伝子の全てを制御する転写因子Tgr(Thermococcales glycolytic regulator)を同定した。Tgr遺伝子を破壊したところ、糖新生条件で本来は抑制されている多糖分解酵素・解糖系遺伝子群の転写量は解糖条件と同等のレベルに達していた。さらにこの条件下で転写誘導される糖新生系遺伝子群の転写量は低いままであった。これらの事実からTgrは糖新生条件下では多糖分解・解糖系遺伝子群の転写抑制と糖新生遺伝子群の転写誘導の双方に関与することが明らかとなった。さらにこれらの遺伝子上流には共通配列(TGM, Thermococcales glycolytic motif)が存在し、多糖分解・解糖系遺伝子ではBRE/TATA配列の下流に、糖新生遺伝子ではBRE/TATA配列の上流に位置した。Electrophoretic Mobility Shift Assayを行ったところ、TgrはTGMに特異的に結合することが明らかとなった。さらにmaltotrioseの存在下でTgrのTGMへの結合が解除されることも判明した。これらの結果を総合すると、Tgrは糖新生条件では多糖分解・解糖系遺伝子のBRE/TATA配列の下流に結合し、これらの転写を抑制し、解糖条件ではmaltotrioseのTgrへの結合によりTgrの抑制効果は解除される。一方、糖新生系遺伝子に関しては、糖新生条件でTgrがBRE/TATA配列の上流に結合し、これらの転写を促進し、解糖条件ではmaltotrioseのTgrへの結合によりTgrの促進効果が解除されるメカニズムが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Atomic force microscopy dissects the hierarchy of genome architectures in eukaryote, prokaryote, and chloroplast2007
Author(s)
R.L.Ohniwa, K.Morikawa, J.Kim, T.Kobori, K.Hizume, R.Matsumi, H.Atomi, T.Imanaka, T.Ohta, C.Wada, S.H.Yoshimura, K.Takeyasu
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Journal Title
Microsc. Microanal. 13
Pages: 3-12
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