2006 Fiscal Year Annual Research Report
高効率多機能発光材料の創製と界面電荷移動機構の解明
Project/Area Number |
17350090
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
唐津 孝 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (70214575)
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Keywords | 発光材料 / 光化学 / 光物性 / 有機デバイス / 光源技術 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
次世代の素子として広く注目を集めている有機デバイスの代表である有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)は活発に研究されている。その中でも機能の集積によるデバイス化、基盤技術の確立と新たな高い能力を秘めた材料の創製が重要な役割を担っている。有機ELでは新規発光材料開発という観点と、素子化における発光材料および電荷輸送材料、電極などの組み合わせの観点からもまだまだ解決されなければならないハードルが山積する。そこで、本研究では有機ELなどに有用な高機能発光有機材料の新たな創製と、そのデバイス化における物質構造制御や配向化の新たなアイデアに基づく技術の確立を目指している。 そこで,本年度の研究では,まず有機EL発光材料の探索と有機イリジウム錯体の輻射過程並びに無輻射過程について研究した。特に無輻射過程におけるmeridional-facial幾何異性化について詳細に研究した。材料の耐久性や発光効率の向上に関する重要な知見が得られた。 1.3個のキレート配位子の種類が同一のホモ錯体と、異なるヘテロ錯体それぞれ2種において、meridional→facial片道光幾何異性化が観測された。 2.燐光発光の効率が低いmeridional体は発光の効率が高いfacial体と同等の輻射速度定数を有するが、無輻射速度定数に大きな差がある。異性化は無輻射過程で重要な役割を演じている。 3.発光色には配位子の励起エネルギーが、異性化の効率には軸上配位子の種類が重要であることを明らかにした。 4.高効率円偏光発光材料の創製。 分子内芳香族2発色団連結系において左右円偏光を発光する材料の合成と光学異性体の分割を行った。 5.エキシマー構造制御による発光色のチューニング。 分子内芳香族2発色団連結系において連結鎖上の置換基のかさ高さを制御することにより、エキシマー形成時の発色団間の配向制御による発光色の制御を検討した。
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Research Products
(5 results)