2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17350092
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安達 千波矢 九州大学, 未来化学創造センター, 教授 (30283245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雀部 博之 千歳科学技術大学, 光科学部物質光科学科, 学長/教授 (20015126)
徳丸 克己 筑波大学, 名誉教授 (60011491)
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Keywords | 有機EL / 三重項励起子 / Triplet-triplet annihilation / 濃度消光 / イリジウム錯体 |
Research Abstract |
我々は,これまでに有機ELデバイスの高効率化について検討を進め,特に,リン光性の三重項材料(Ir(ppy)_3:Iridium(2-phenylpyridine))を発光中心に用いることにより,外部量子効率19%,内部量子効率が〜100%に達する究極の発光効率を実現した。このような高い発光効率実現は,電流励起下において生成される一重項励起子と三重項励起子をすべて100%の効率でEL発光に利用できることに起因する。しかしながら,高電流密度下では,三重項励起子同士の活発な失活が生じてしまい,EL発光効率の顕著な低下が観測される。本研究では,Ir(ppy)_3及びその誘導体のT-T annihilationの発現理由を,精密な絶対量子収率の測定,三重項励起状態のT-T励起吸収の測定から明らかにすることを目的とした。今年度は,有機薄膜の絶対量子収率の測定を積分球による精密に測定する系を立ち上げ,まず,Ir(ppy)_3誘導体の固体薄膜中における基底状態と励起状態の相互作用(濃度消光過程)について詳細に検討を行った。その結果,濃度消光過程はForster型の依存性を示し,リン光材料といえども,dipole-dipole相互作用に基づいた励起エネルギーの失活を示すことがわかった(Phys.Rev.Lett.)。現在,励起吸収スペクトルの測定系を立ち上げており,次年度は,励起状態吸収の測定に取りかかる。
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Research Products
(4 results)