2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17350092
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安達 千波矢 九州大学, 未来化学創造センター, 教授 (30283245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雀部 博之 千歳科学技術大学, 光科学部, 教授 (20015126)
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Keywords | 有機EL / リン光 / 過渡吸収 / Ir錯体 / 温度依存性 |
Research Abstract |
OLEDの外部量子効率はIr錯体を用いることによって大幅に向上した。現在、緑色発光のIr(ppy)_3をゲスト材料に用いることによって外部量子効率20%が実現されているが、赤色、青色発光においては、未だ多くの問題点が存在している。青色発光においてはη_<ext>〜20%の高効率発光が得られているが、色度座標(X=0.16,Y=0.26)が不十分な値であり、色純度の良好な色度座標(X=0.14,Y=0.06)が必要とされている。また、赤色リン光材料のbis(2-(2'-benzo[4,5-a]thieny1)pyridinato-N,C^<3'>)iridium(acetylacetonate)(Btp_2Ir(acac))をゲスト材料として用いた場合、非放射失活過程の存在により1OO%のPL量子効率が実現されていない。そこで、本研究では新規青色リン光材料の探索及び赤色リン光材料の非放射失活過程の解明について検討を行った。 青色発光を得るために、カルベン型Ir錯体の光物性及びOLED特性について検討を行った。真空蒸着法によりm-bis(tripheny1sily1)benzene(UGH5)をホスト材料とし、fac-iridium tris(N-dibenzofUrany1-N'-methy1imidazole)(fac-Ir(dbfilb)_3)をゲスト材料として用い、6Wt%-mer-Ir(dbfmb)_3:UGH5共蒸着膜における発光特性について検討を行なった。また、赤色リン光材料の効率上昇を狙うために非放射失活過程の原因を追究が必要である。そこで、Ir錯体の溶液中におけるPL絶対量子収率の測定に加え、ゲスト材料の一重項準位(S_1)から三重項準位(T_1)への項間交差効率(η_<isc>)および三重項準位(T_1)から基底状態(S_0)への非放射遷移確率を光音響分光法(PAS)により測定した。 6wt%-mer-Ir(dbfmb)_3:UGH5薄膜は室温において、η_<PL>=95%の高いPL量子効率に加え、λ_<max>=444nmに発光ピークを有する青色発光(色度座標X=0.14,Y=0.16)を示した。OLED特性においては、最大外部EL量子効率がη_<ext>=10%に達する高い効率を実現できた。次に赤色リン光材料の失活過程の検討結果について述べる。Btp_2Ir(acac)の溶液中における絶対量子収率はη_<PL>=34%の低い値に留まり、PAS測定よりη_<isc>は、ほぼ100%であることが確認され、T_1からS_1への非放射失活の存在によりPL効率低下が生じていることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)