2007 Fiscal Year Annual Research Report
液相中でのカーボンナノチューブの高速合成に関する研究
Project/Area Number |
17350093
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
蒲生 美香 (西谷 美香) Toyo University, 工学部, 准教授 (00323270)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 寿浩 物質材料機構, 物質研, 主幹研究員 (80343846)
|
Keywords | ナノ材料 / ナノチューブ / 材料化学 / 環境材料 / 先端機能デバイス |
Research Abstract |
本研究テーマは、我々のグループが開発した「固液界面接触分解法」により、様々な高機能ナノ材料の高速合成を目指すものである。本法は、高温に熱せられた触媒と、原料となる有機液体との接触反応による炭素析出を材料合成の基本とする。反応場である固液界面は、化学ポテンシャルの急峻な変化による非平衡場であり、さまざまな構造・機能を有する炭素材料合成実現の可能性を秘めている。本材料合成技術においては、任意の構造制御を可能とするため、得られる炭素材料とさまざまな合成条件との関係を詳細に知ることが重要である。そのため、接触反応を左右する触媒金属の種類及び状態、接触反応温度、有機液体の種類等と生成物の関係を明らかにし、生成物の合成条件依存性を把握することを目的に研究を進めてきた。その結果、昨年度の時点で、任意の構造を有するカーボンナノチューブを制御性良く自在に合成可能な技術の確立に一定の目途をつけることができた。今年度は、構造と物性の関係を明らかにするため、主にコバルトを触媒として用い、結晶性及び配向性を制御して合成したカーボンナノチューブについて、電界電子放出特性の測定を試みた。その結果、結晶性に優れるカーボンナノチューブは、結晶性の低いものに比べて、電子放出開始電圧が低く、放出電流の経時安定性に優れることがわかった。カーボンナノチューブの結晶性は、電子放出開始電圧値及び放出電流の経時安定性に大きく影響する因子であることを実験的に明らかにすることができた。
|
Research Products
(23 results)