2005 Fiscal Year Annual Research Report
高い酸化還元性を示す新規複合酸化物の開発と自動車排ガス浄化触媒への応用
Project/Area Number |
17350100
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今中 信人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30192503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増井 敏行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00304006)
田村 真治 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80379122)
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Keywords | 公害防止・対策 / 構造・機能材料 / 触媒・化学プロセス / セラミックス / 酸素貯蔵量 / 排ガス浄化触媒 / 酸化セリウム |
Research Abstract |
現在、自動車排ガス浄化用助触媒として酸化セリウム-酸化ジルコニウム複合酸化物が用いられているが、低温における酸素放出・貯蔵活性を大きくすることが望まれている。本研究では、(1)高い酸化物イオン導電率を示し、(2)低温で還元されやすいだけでなく、(3)固溶に伴う電荷補償により酸素空孔を生成させる酸化ビスマスを、酸化セリウム-酸化ジルコニウム複合酸化物の格子内に固溶させることで、300℃以下の低温において良好な酸素放出・貯蔵特性を有し、エンジン始動時の有害ガス排出を抑制する新規な助触媒材料の開発に成功した。 また、CeO_2-ZrO_2-Bi_2O_3複合酸化物をLaで安定化したγ-Al_2O上に担持することにより、100℃以下という極めて低温において酸素を放出可能である新規な複合酸化物触媒を開発した。γ-Al_2O上への担持により、短時間での瞬発的な酸素貯蔵・放出能力を表すダイナミック酸素貯蔵量は、担持前の約7.5倍(測定温度600℃)に増大した。これは従来のγ-Al_2O担持CeO_2-ZrO_2触媒と比較しても約3倍であった。また、担持効果によりメタン燃焼活性も従来触媒より向上することが明らかとなった。 さらに、CeO_2-ZrO_2-Bi_2O_3複合酸化物に酸素透過性を有するAgを添加することにより、900℃で還元-再酸化処理を繰り返しても、300℃以下における酸素放出能を安定に保持できる新規な助触媒材料を開発した。粉末X線回折およびラマンスペクトル測定により、CeO_2-ZrO_2-Bi_2O_3複合酸化物へのAgの部分固溶が、還元-再酸化サイクル特性の工場に寄与していることがわかった。
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Research Products
(4 results)