2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17350107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀧川 敏算 京都大学, 工学研究科, 教授 (50201603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀中 順一 京都大学, 工学研究科, 助手 (00313734)
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Keywords | 光トラップ / 高分子鎖 / 力学測定 / ポリスチレン / AFM / 吸着 / レーザー |
Research Abstract |
市販の倒立顕微鏡の光学素子を利用し光トラップを使った力学測定装置の構築を行った。設備備品として連続発振のYAGレーザーを購入しその第二高調波(波長532nm)を光源として用いた。浮遊型の光トラップを構築するにあたってまずすでに報告がある従来型の光トラップ装置を作製した。ビームエクスパンダーで拡張したレーザー光を高開口数の顕微鏡の対物レンズで集光し、対物レンズの焦点近傍に直径10マイクロメートルのガラス微粒子を保持することに成功した。浮遊型の光トラップに転換することを想定し、用いる対物レンズの開口数や作動距離、微小球と周囲の媒体の屈折率という条件を様々に変えてトラップの成否に関する知見を得た。また水中での光トラップの強さを微粒子が媒体から受ける粘性抵抗から評価したところレーザー光の強度によって10^<-4>〜10^<-3>N/mと期待された大きさであることがわかり、光トラップはAFMを用いた場合に比べて2〜3桁小さいバネ定数ではるかに微小な力を感知できることが分かった。高分子鎖の測定の際にガラス微粒子と対をなす基板側の設置方法は予想以上に難しいことが判明し、どのような幾何学的条件で基板を挿入するのがよいのか現在も方法を模索中である。基板を通して試料に精緻な変形を加えるピエゾステージの制御のためのプログラムの構築も行った。試料の作製は、ガラス微粒子の代わりに石英基板を用いた予備実験の結果より、当初予定していた基板とガラス微粒子間で高分子鎖を受け渡しする方法よりもガラス微粒子への反応時間によって高分子鎖の数を規制する方法が有利ではないかとの結論に至った。現在、微小球の場合もそのような選択が正しいかどうか検証を続けている。
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