2007 Fiscal Year Annual Research Report
外部電場印加により相安定関係を逆転させた大型ランガサイト単結晶の成長法
Project/Area Number |
17360002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇田 聡 Tohoku University, 金属材料研究所, 教授 (90361170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 新明 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (80375104)
志村 玲子 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90420009)
藤原 航三 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70332517)
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Keywords | 結晶成長 / 結晶工学 / 相平衡 / 電場印加 / ランガサイト / 化学ポテンシャル / 電気二重層 / 浮遊帯溶融炉 |
Research Abstract |
[研究の目的]外部電場印加を用いた相平衡関係の操作により、異相の析出の無いコングルエント状態でランガサイト(La_3Ga_5SiO_<14>:LGS)のバルク単結晶を育成する技術の確立を目標とした。 [研究の成果] 1.外部電場印加における融液内での電場形態 外部電場印加機構を取り付けた浮遊帯溶融炉を開発し、無電界状態と600V/cmの電場印加状態で溶融帯に存在する相の違いを検討した。溶融帯形成後、試料を急冷し、光学顕微鏡下で観察したところ無電界状態では、LGS以外に初晶のランタン珪酸塩のLS(G)が見られたが、電場印加試料ではLS(G)は見られず、LGSのみ存在した。その結果、電場印加下で浮遊帯溶融法でLGS組成の融液から異相を含まずに1インチ径のLGSの単結晶を直接育成することができた。これで研究目的を達成したことになる。 2.外部電場によるYBCO結晶成長過程の操作 液相+211相(Y_2BaCuO_5)の包晶反応によるYBCO123相(YBa_2Cu_3O_<7-x>)の形成過程に対し、外部電場の及ぼす影響を検討した。過程を211の溶液への溶解、溶解した溶質の輸送、核形成、溶質付着キネティクスに関わる4項に分け解析した。電場印加(600V/cmの外部電場印加であるが、電場の影響は固液界面に存在すると考えられる電気二重層で見られ、電場の大きさは10^4-10^5V/cmである)の結果、211の溶解活性化エネルギーの低下が見られ溶解速度が上昇した。一方、電気的導体の溶液内には電場はほとんど存在せず、イオン性溶質の輸送の電場による影響は見られない。核形成においては、臨界エネルギーが増大し、7℃の過冷却増大が観察された。一方、付着キネティクスの大きさには、あまり電場の影響が見られていない。
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