2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機・無機光伝導性焦電体の物質開発と光誘起新現象の探索
Project/Area Number |
17360008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 敏宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (10262148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 哲也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10189532)
一杉 太郎 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (90372416)
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Keywords | 強誘電体 / 光励起 / 焦電体 / レーザーアブレーション / ナノ粒子 / Alq3 / 巨大光起電力 / 光アクチュエータ |
Research Abstract |
本年度は、第一年度として新たに購入したレーザーを用いてパルスレーザー蒸着装置を構築した。その結果、自在に遷移金属酸化物を作ることが可能となり、無機物強誘電体へドーピングした単結晶薄膜の成長、および液体中レーザーアブレーションによるナノ粒子作成を開始している。酸化物としてはCoドープTiO_2についてエピタキシャル成長が行えることを確認した。ナノ粒子は手始めにTiO_2,ZnOについて粒径を制御したものが得られており、結晶化条件や諸物性の測定を行っている。有機物強誘電体については、成長条件依存性を詳しく検討した結果、Alq3の光配向成長機構が申請時の解釈(焦電体の光伝導による短絡)と異なり、焦電体の光励起による巨大光起電力によることを予想した。そのことを確かめるためにAlq3にAgを蒸着し、それを力学的にはがすことによりAlq3微結晶を導電性の基板上に転写し、それを用いて導電性カンチレバーを用いたAFMにより電気力検出を試みた。その結果、バルクでは反転対称性があり分極しないはずのAlq3において、電気分極が検出された。この機構としては基板からのエピタキシャル圧力による格子のゆがみが関与しているものと考えられる。さらに、光による焦電性半導体の分極を電気的に検出するために有機FET構造に光を照射する実験を行った結果、トラップ準位に関する情報が得られることがわかった。
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Research Products
(7 results)