2007 Fiscal Year Annual Research Report
高圧下融液徐冷法による蒼族窒化物半導体のバルク単結晶育成
Project/Area Number |
17360013
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
内海 渉 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (60193918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 寛之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 任期付研究員 (20373243)
服部 高典 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (10327687)
金子 洋 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 技術開発協力員 (20425565)
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Keywords | 窒化物半導体 / 窒化ガリウム / 窒化インジウム / 高圧 / 高温 / 単結晶 |
Research Abstract |
本年度はまず、窒化インジウムについて、その熱力学的安定性についての研究を行った。窒化インジウムを利用したデバイス作製においては、平衡条件付近で固・液・気相が直接接触するようなプロセスが含まれるため、その熱力学的な知見は、製造プロセスを設計する際の境界条件を把握するうえで重要であるが、分解反応のカイネティクスの影響が大きく、通常の手法では熱平衡状態を反映した実験データを得ることが難しかった。今回我々は、6,7GPaから10GPaの圧力領域で分解温度の圧力依存性を測定し、標準生成エンタルピーと常圧での分解温度を実験的に決定することに成功した。得られた生成エンタルピーは-36.3kJ/molで常圧での分解温度は204Kであった。この結果は、窒化インジウムが常温常圧で準安定状態であることを支持するものである。 また、酸化インジウムについて9GPa、2000℃までの温度圧力領域における高温高圧相図を放射光その場観察実験により決定した。この研究により、酸化インジウムは加熱するとInと酸素に分解し、この分解温度は圧力の増加とともに増加すること(分解温度は2.0GPaで約1250℃、4.0GPaで1700℃に達する)、酸化インジウムが4GPa、1600℃で圧力誘起の構造相転移を起こしコランダム型構造をとること、などが明らかにされた。この高圧相の結晶を當圧下に回収することにも成功し、本プロジェクトが推進してきた高温高圧条件を利用した新奇物質の単結晶育成研究の新たな展開例となった。 さらに、本研究グループが進めてきた6〜10GPa2,200〜2,500℃の圧力温度領域で窒化ガリウムの一致溶融を得て、それを徐冷することによって単結晶を生成する手法に関する特許が、日本及び米国で成立した。
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Research Products
(3 results)