2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物ヘテロ構造における界面ハーフメタル性とスピン注入効果
Project/Area Number |
17360020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅野 秀文 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50262853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 正顯 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (90013531)
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Keywords | トンネル効果 / ハーフメタル / スピン注入 / 磁気抵抗効果 / アンドレーエフ反射 |
Research Abstract |
スピン注入効果の研究に必須な界面ハーフメタル性を有するヘテロ構造の実現に向けて、ハーフメタルと予測されている酸化物強磁性体と非磁性絶縁体(半導体)、非磁性金属、超伝導体との各種ヘテロ構造の作製とその界面制御に関する検討を進めている。ヘテロ構造におけるハーフメタル酸化物強磁性体としては、バンド計算から理論的にハーフメタルと予測されている規則型二重ペロブスカイト構造を持ち、よりキュリー温度T_cが高く応用上有利なSr_2CrReO_6(T_c=620K)のエピタキシャル薄膜を用いた。 作製した酸化物強磁性体ヘテロ構造に対して、二種類の手法を用いて界面スピン分極率の測定を行い界面スピン分極率Pの挙動を総合的に解析した。その第1は、強磁性接合におけるトンネル型磁気抵抗(TMR)効果であり、第2は、超伝導接合におけるアンドレーエフ反射測定である。Sr_2CrReO_6に対してこの二種類の手法による界面スピン分極率解析を行い、さらに界面構造の光電子分光(XPS)観察を行った。特に、各種の非磁性絶縁体とSr_2CrReO_6との界面状態をXPSにより系統的に調べた結果、Sr_2CrReO_6と熱力学的酸化・還元特性が類似した非磁性絶縁体MgOとの界面で、Sr_2CrReO_6の良好な電子状態が維持されることを見出した。この結果を基に、MgO/Sr_2CrReO_6構造の接合を作製しその特性評価から、Sr_2CrReO_6の界面スピン分極率として0.88という高い値が得られた。用いたSr_2CrReO_6薄膜のCr-Re規則度を向上させることにより、界面スピン分極率のさらなる向上が可能であることが明らかになっている。スピン注入効果については、超伝導NbNを用いたNbN/MgO/Sr_2CrReO_6構造の接合を作製し、注入効果の検証を進めている。
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Research Products
(6 results)