2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物ヘテロ構造における界面ハーフメタル性とスピン注入効果
Project/Area Number |
17360020
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅野 秀文 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (50262853)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 正顯 豊田理化学研究所, フェロー (90013531)
|
Keywords | トンネル效果 / ハーフメタル / スピン注入 / 磁気抵抗效果 / アンドレーエフ反射 |
Research Abstract |
1.ペロブスカイトハーフメタルLa_<0.7>Sr_<0.3>MnO_3(LSMO,キュリー温度T_c=370K)多結晶薄膜を用いて、その結晶粒界の界面ハーフメタル性に由来する磁気抵抗効果(粒界MR)の支配要因の解析を行った。実用的に有用なSi基板上のYSZ/Ba_<0.4>Sr_<0.6>TiO_3バッファ層上に粒径制御して作製したLSMOに対する系統的な実験から、粒界MRの大きさが多結晶薄膜の粒界抵抗に強く依存することを見出した。また、スピン依存散乱とスピン依存トンネルの二つの伝導機構を考慮することにより、粒界MRと界面スピン分極率、粒界抵抗の相関関係を定量的に説明できる新しいモデルを構築した。 2.二重ペロブスカイトハーフメタルSr_2CrReO_6(SCRO,T_c=620K)薄膜をミスフィットの小さいSrTiO_3上に成長させることにより、長範囲規則度が0.98の高品質単結晶薄膜が得られた。このSCRO薄膜と各種絶縁体との界面構造を放射光光電子分光(SR-XPS)により調べた。ハーフメタルに由来するRe多重ピーク構造と価電子帯スペクトルから、SCRO薄膜とMgOとの界面で、良好なハーフメタル電子状態が維持されることが明らかにした。また、Sr_2CrReO_6/MgO/Co接合を作製し、その特性評価(4.2K、114%のTMR比)から、SCROの高い界面スピン分極率を初めて実証した。 3.Si基板上に、NiTa膜とCr膜を積層することによって、ハーフメタルホイスラー合金Co_2MnGeの高配向性薄膜(擬似単結晶)とMgO絶縁層を用いた配向素子を作製することができた。また、(100)と(110)の結晶配向制御ができることが判明した。これは、MgO単結晶基板を用いることなく、実用性の高いSi基板でも高配向なハーフメタルホイスラー膜ができることを示した研究で工学的な意義は大きい。
|
Research Products
(15 results)