2005 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線とレーザーの組み合わせによる新しい励起状態分析法の開発
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17360022
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
鎌田 雅夫 佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 教授 (60112538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和敏 佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 講師 (30332183)
東 純平 佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 助手 (40372768)
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Keywords | 放射光 / 時間分解光電子分光 / 励起状態分光 / 超高速分光 / 内殻光電子分光 / 組合せ実験 / 軟X線 / 半導体起電力効果 |
Research Abstract |
放射光とレーザーという優れた光源の特徴を組み合わせた励起状態の新しい分析方法のために、既存の光電子分光システムにレーザーとの組み合わせ用の光学システムや試料準備槽を付加して、システムにアヅプグレードした。 テスト試料としてGaAsを取り上げ、既存の高輝度ヘリウムランプを光源として、占有電子状態の分析において重要なエネルギー分解能ならびにエネルギーvs運動量の分散曲線測定ならびに装置の調整を行った。 また、励起状態分析には時間分解能が求められるので、時間分解システムの調整と性能評価を行い、設計どおりの性能が得られる見通しが得られた。 佐賀県立九州シンクロトロン光加速器設備が2005年12月15日に施設検査に合格して、利用実験に向けての運転が可能となったので、それに合わせて、分光器システムの立ち上げと分光システムの調整を行った。システムの動作確認を兼ねて、内殻光電子分光実験データの取得ならびにレーザー光励起による半導体表面光起電力効果の観測を試行し、予想どおりの実験データが得られた。 また、一方で、既存のフェムト秒チタンサファイヤレーザーを基にして高次高調波を発生させ、それを用いた超高速の時間分解光電子分光法の開発にも取り組んだ。これは、100fsオーダーの実験室レベルでの時間分解光電子分光法を目指したものであり、その実験を成功裏に進めることができた。さらに、同期実験に向けて、チタンサファイヤレーザーの発振周波数ならびに同期システムなど、周辺装置を調整した。
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