2006 Fiscal Year Annual Research Report
リラクサー系強誘電体のドメイン制御による非線形光学素子の研究
Project/Area Number |
17360027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
志村 努 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90196543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 和男 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10107394)
芦原 聡 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10302621)
藤村 隆史 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50361647)
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Keywords | リラクサー系強誘電体 / フォトリフラクティブ効果 / 圧電効果 / ドメイン制御 / 光波制御 |
Research Abstract |
リラクサー強誘電体は、室温付近で散漫相転位を起こすことが特徴であり、特異な物性を示す。中でもPZN-PTは組成相転位点付近で大きな圧電効果を示すことが知られており、圧電材料として期待されている。しかしながらこの材料は光学的な応用はほとんど研究されておらず、われわれは大きな圧電効果を生かした光学的応用を目指した研究を行っている。われわれはこれまでに、PZN-PTを[001]方向にポーリングすることにより、結晶全体を単一ドメイン化し、散乱を著しく減少させられることを示した。 今年度は、より大きなフォトリフラクティブ効果の発現を目指して、[001]方向へのポーリングによる単一ドメイン化と低散乱化を目指して実験を行った。[001]方向にポーリングした場合の問題点は、散乱が大きいという点であり、この観点から特性改善を図った。結晶成長法に関して再検討を行い、温度の降下スケジュールを工夫して、より散乱の小さい結晶を育成するための試みを行った。 また応答速度の向上を図るため、その基礎的データとして、移動度の測定を試みた。ホール効果測定、およびtime of flight測定に関して検討を行った。現在、4光波混合によるポンププローブ分光による、キャリア寿命の測定を行っている。移動度とキャリア寿命の積はフォトリフラクティブ効果そのものの計測から求められ、これから移動度が求められる。 現在ドメイン構造の制御による、フォトリフラクティブ効果の増強を目指して、理論的な見積もりを行っている。また、フォトリフラクティブ効果による空間電場をアシストとしたドメイン反転技術に関して検討を行っている。
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