2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷 正彦 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教授 (00346181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 英明 大阪大学, レーゼーエネルギー学研究センター, 特任研究員 (20397649)
川瀬 晃道 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (00296013)
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Keywords | テラヘルツ電磁波 / 多重極光伝導アンテナ / VCD / 円偏光変調 |
Research Abstract |
本研究課題の目的はテラヘルツ(THz)帯の生体分子動力学の研究手法として新奇なTHz分光法の開発を行うことである。具体的には以下の(ア)〜(ウ)の研究開発を行う。 (ア)THz電磁波の円偏光変調によるTHz振動円偏光二色性分光法(THz-VCD)の開発 生体分子の振動モードに対応したTNz帯のVCD (Terahertz Vibrational Circular Dichroism, THz-VCD)スペクトルを測定する分光装置の開発を行う。THz-VCDスペクトルより生体分子の構造に関する情報得る。 (イ)THz自由誘導減衰分光法(THz-FID)の開発 単色THz電磁波吸収後の自由誘導減衰(Free Induction Decay, FID)による放射を時間分解測定することで、特定の振動モードのピコ秒〜ナノ秒領域の緩和過程を時間分解観測する。 (ウ)THz波変調による蛍光エネルギー移動分光(THz-FRET)の開発 蛍光修飾されたタンパク質分子からのFRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)蛍光をTHz電磁波で変調し,特定振動モードの局所性に依存して変調されるFRET蛍光を観測することで,特定の振動モードの局所性についての情報を得る。 今年度はFID測定用の気体分子サンプルセル及び,また水蒸気吸収を除去するためのTHz-TDS真空光学系の整備を行った。また直線偏光変調用の4重極光伝導素子を試作し,その偏光変調特性の評価を行った。4重極光伝導素子及びSiプリズムの内部全反射を利用して,テラヘルツ電磁波の右円偏光と左円偏光を交互に発生する円偏光変調装置を試作し、円偏光状態と変調特性を評価した。さらにTHz-FRET用のナノ秒高出力THz光源(THz光パラメトリック発振器)の開発のため,必要な光学部品や光源の準備を行った。 4重極光伝導素子によるテラヘルツ電磁波の円偏光変調についてはその成果を欧文研究雑誌(The International Journal of Infrared and Millimeter Waves)に投稿し、受理された。
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Research Products
(1 results)