2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷 正彦 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教授 (00346181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 英明 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 特任研究員 (20397649)
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Keywords | テラヘルツ電磁波 / 多重極光伝導アンテナ / 振動円偏光二色性(VCD) / 偏光変調 |
Research Abstract |
本研究課題の目的はテラヘルツ(THz)帯の生体分子動力学の研究手法として新奇なTHz分光法の開発を行うことである。具体的にはTHz電磁波の偏光を利用したTHz分光手法の開発,特にTHz帯の振動円偏光二色性分光法(Thrahertz Vibrational Circular Dichroism, THz-VCD)の開発を目指す。THz-VCDスペクトルの測定が可能になれば,生体分子構造,あるいは生体分子結晶構造の決定などに利用できる。 平成18年度はTHz電磁波の偏光状態をワイアーグリッドなどの偏光フィルターを使わずに検出するための3重極の光伝導アンテナを試作,評価した。3重極の光伝導アンテナをTHz電磁波の時間領域検出(光伝導サンプリング)に用いて,THz電磁波の偏光のベクトル検出に成功した。測定精度は従来の偏光フィルターを用いた測定の場合と遜色無い。これによりTHz電磁波の偏光状態をより簡便に測定するが可能になった。すなわち3重極光伝導アンテナを用いてTHz-VCD測定を従来よりも簡便に行うことができるようになる。 H17年度に実施した4重極光伝導素子の作成と,それによる放射THz電磁波の偏光変調(直線偏光及び円偏光の両方で実現)ついてはその詳細を欧文研究雑誌(Optics Express)に投稿し,掲載された。 またワイアーグリッド偏光子を用いた高感度偏光検出装置を開発し,THz帯における1万分の1の屈折率異方性を検出することに成功した。これにより非常に小さいと予想されるTHz-VCD信号を検出できる可能性が非常に大きくなった。 来年度(最終年度)は開発したこれらの技術を用いて,THz-VCD信号の検出を目指す。
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Research Products
(1 results)