2005 Fiscal Year Annual Research Report
固体素子におけるテラヘルツ電気信号と光波の相互変調
Project/Area Number |
17360032
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
角屋 豊 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (90263730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 二郎 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (90346528)
寶迫 巌 独立行政法人情報通信研究機構, 主任研究員 (00359069)
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Keywords | テラヘルツ / ストリップ線路 / 量子井戸 / カスケードレーザ |
Research Abstract |
本研究は,マイクロストリップ線路構造を用いて,テラヘルツ(THz)電気信号による光波制御,および光波によるTHz電気信号(電磁波)制御を可能とする機能素子を実現することが目的である.本年度の実績は次の通り. (1)量子井戸に光励起したキャリアによるTHz(サブピコ秒)電気パルス伝播特性の変化や,THz電界印加下の量子井戸光学応答変化を明瞭に観測するため,および単線ストリップ線路素子を実現するため,下記のように素子作製プロセスの広範な見直しを行なった. ・線路の伝送特性に大きな影響がある透明導電膜(ITO)の成膜のためのRFスパッタ装置を改良した.この結果,酸素分圧をゼロとすることで,比抵抗を従来から一桁向上させ,マイクロストリップ線路において減衰係数0.35/mmの良好な伝送特性を確認した. ・量子井戸薄膜をマイクロストリップ線路に埋め込み,かつ裏面導体との良質のオーミック接合を得るための素子作成条件の見直しを行い,材料にAuGeを用い315℃で3時間アニールを行うことで,表面の変質が少なく,かつ必要な接触抵抗(5×10^<-5>Ω以下)が実現でき,また裏面導体へ良好なボンディングを得ることに成功した. ・マイクロストリップ線路の誘電媒質となるポリイミド薄膜作成条件を詳細に調べた.特にこれまでに発生してたクレーター状の凹凸を低減するための,キュア条件を明らかにした. (2)量子カスケードレーザ(QCL)の性能向上を図った.材料系にGaAs/AlGaAsを用いたLOフォノン共鳴引抜型QCLでは3.4THzの発振に成功し,低温でのパルス発振でピーク出力10mWを得た.また、材料系にQCLとしては全く新しいGaAs基板上のGaSb/AlSbを用いたLOフォノン共鳴引抜型QCLにおいて,エレクトロルミネッセンスの観測に成功した.
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Research Products
(2 results)