2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度低ノイズ・磁気力顕微鏡の開発およびそのナノスピンイメージングへの応用
Project/Area Number |
17360036
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齊藤 準 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (00270843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石尾 俊二 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (90134006)
裴 文利 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 中核的研究機関研究員 (10375230)
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Keywords | 磁気力顕微鏡 / 磁区観察 / 空間分解能 / 低温MFM / MFM探針 / 交換スプリング磁石 / シミュレーション / 保磁力マッピング |
Research Abstract |
磁気力顕微鏡(MFM)は現在広く用いられているが、その空間分解能は最大でも10nm程度であり、将来の磁気ストレージの記録サイズがnmから原子オーダーになることを考えると、高分解能MFMの開発は至急の課題である。本研究では分解能を理論的限界にまで高めた磁場印加可能なMFMを開発し、テラビット磁気記録媒体等のナノ構造磁性体のナノスピンイメージングに資するために、1)超高感度低ノイズ検出系を有する分解能5nm以下の磁気力顕微鏡(MFM)の開発、2)開発するMFMのナノ構造磁性体のナノスピンイメージングへの応用およびマグネティック・ナノマッピング手法(保磁力、磁化容易軸、等)の開発、を目的として、以下の結果を得た。 1.MFMの低ノイズ化による分解能向上の観点から、ノイズ解析を行い、ノイズの主因が理論的な下限であるMFM探針の熱振動ノイズであることを確かめた。このため、探針を冷却する機構を試作して、130Kまで探針を冷却した結果、分解能が室温での20nmから冷却後に10nmまで向上した。現在、さらに探針温度を50K程度まで冷却可能なMFMの開発を進めている。 2.MFMの高感度化による分解能向上の観点から、積層型交換スプリング磁石の断面を用いる新規なMFM探針を提案し、計算機シミュレーションにより室温において5nm以下の分解能が得られることを確認した。さらにFePt/FeCo/FePt三層型交換スプリング磁石の作製に成功した。現在、本積層膜を用いたMFM探針の作製を進めている。 3.局所ナノ領域での微細磁化状態解析を目的として、次世代超高密度磁気記録媒体材料の候補であるFePt微粒子薄膜について、磁場中MFM観察を行い、印加磁場方向および強度が異なる像の差分から、局所領域での保磁力マッピングに成功した。
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Research Products
(6 results)