2006 Fiscal Year Annual Research Report
微小液滴の光マニピュレーションによる複雑流体のミクロ物性研究
Project/Area Number |
17360037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 啓司 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 准教授 (00215584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美谷 周二朗 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (10334369)
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Keywords | 微小液滴 / レオロジー / 界面吸着現象 / 衝撃波吐出 / ストロボ顕微撮影 / 粘弾性測定 / 動的表面張力 |
Research Abstract |
高分子・ゲル・液晶あるいは生体系のように内部に高次の秩序構造と特異な機能を有するソフトな材料群をマイクロプロセスに利用することによって、高度な機能が集積したデバイスを開発する試みが進められている。このプロセスには液滴射出技術を用いるが、流体粒子の微小化と共に、液滴は流体のマクロな物性からでは予想できない様々な挙動を示すことが明らかとなってきた。本研究では、この微小液滴のマニピュレーション技術を用いて、ミクロな複雑流体系における高速力学物性測定法の確立や、ピコリットル化学反応の動的追跡技術の開発を目指した。 今年度は、直径数μ〜数10μm程度の液滴を空気中に射出し、複数の微小液滴を高速で衝突させることにより、液滴の表面張力ならびに粘弾性を精度よく測定する技術を開発した。この手法は、取替えの容易なガラス管に衝撃波を与えて微小液滴を吐出するもので、これにより粘度100cPまでのあらゆる種類の液滴の形成が実現できた。微小液滴の吐出現象は低レイノルズ数の現象であり、ストロボ法により再現性よく液滴の運動状態を観察できることを明らかにした。この液滴吐出・衝突観察技術により、1,000,000[1/秒]という高歪下におけるレオロジー測定を世界で初めて可能にした。さらに吐出後の衝突するまでの時間を変化させることにより、μ秒分解での表面張力の実時間追跡が可能になった。さらにこの技術を用いて、界面活性剤分子が、新しい表面形成後に吸着するまでの時間応答を測定することが可能となった。この手法は、広く液体の超高速物性測定への展開が期待できる。
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Research Products
(4 results)