2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 一生 京都大学, 工学研究科, 教授 (10115777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 滋 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60271011)
杉元 宏 京都大学, 工学研究科, 講師 (50222055)
松村 昭孝 大阪大学, 情報学研究科, 教授 (60115938)
曾根 良夫 京都大学, 工学研究科, 名誉教授 (80025923)
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Keywords | 国際研究者交流 / フランス:イタリア:韓国 / 分子気体力学 / ボルツマン方程式 / 流れの安定性 / 流れの分岐 / テイラー・クエット問題 / 多成分混合気体 |
Research Abstract |
1.低圧気体の円筒間クエット流の線形安定性に関する研究 異なる角速度で回転している同軸2円筒間の低圧気体を考え,軸方向,周方向ともに一様な流れ(いわゆる円筒間クエット流)の(周方向に一様な)微小攪乱に対する安定性を,分子気体力学をもとに調べた.ボルツマン方程式のBGKモデルと円筒表面における拡散反射境界条件のもとで,線形安定性解析を数値的に行った.具体的には,攪乱に対する初期値・境界値問題を差分法によって数値解析することにより,攪乱の最大成長率を広い範囲の円筒回転角速度と比較的小さなクヌーセン数に対して数値的に求めた.その結果,円筒間クエット流が不安定となるパラメータの領域を明らかにした.また,その結果を,ボルツマン方程式をモンテカルロ法によって直接数値シミュレーションした結果およびナヴィエ・ストークス型の連続流モデルによる線形安定性解析の結果と比較・検討を行った. 2.蒸気・気体混合系の円筒間クエット流の研究 上述の円筒間クエット流を,円筒がある物質の凝縮相(固体相)でできており,気体がその物質の蒸気(気体相)と別種の気体(非凝縮性気体)の混合気体である場合について考える.このときには,一般に円筒表面で蒸気の蒸発・凝縮(昇華)が起こる.この流れのクヌーセン数が小さい場合の挙動,とくに連続流極限(クヌーセン数がゼロに近づく極限)における振舞を分子気体力学をもとに調べた.具体的には,ボルツマン方程式の系統的漸近解析によって連続流極限に対する流体力学的方程式系を導出し,その数値解析により流れの性質を明らかにした.その結果,流れの場が無限小の蒸発・凝縮の影響を受ける「幽霊効果」が現れること,流れの分岐がおこること,などが明らかになった.
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Research Products
(2 results)