2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 一生 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (10115777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 滋 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60271011)
杉元 宏 京都大学, 工学研究科, 講師 (50222055)
小菅 真吾 京都大学, 工学研究科, 助教 (40335188)
松村 昭孝 大阪大学, 情報学研究科, 教授 (60115938)
曾根 良夫 京都大学, 工学研究科, 名誉教授 (80025923)
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Keywords | ボルツマン方程式 / 気体分子運動論 / 分岐理論 / 安定・不安定性 / 蒸発・凝縮 / 混合気体 |
Research Abstract |
1.蒸気・気体混合系の円筒間テイラー・クエット流の研究 不活性気体を含む蒸気の円筒間クエット流では,連続流極限において蒸発・凝縮が止まるにもかかわらず,通常の円筒間クエット流とは違った流速分布が現れる.この事実は平成17年度の研究で明らかになった.平成18年度には,軸方向の一様性をはずしたときに,この流速分布の違いがテーラー渦流への移行にどのような影響を与えるかの研究に着手した.平成19年度は,この研究を継続し,円筒間クエット流の段階では分岐が起こっていない場合および既に分岐が起こる場合の両方にについて,この移行の様子を数値的に明らかにした.用いた手法は,モンテカルロ法によるボルツマン方程式の直接的数値解法(DSMC法)である.この数値計算は大規模なもので,一つの流れを得るのに数箇月を要するため,現在も継続中である. 2.蒸気・気体混合系の遅い流れの流体力学的方程式による研究 平均自由行程が小さい場合,界面における蒸気の蒸発・凝縮は遅くなる.我々は以前,このような流れを記述する流体力学的方程式と境界条件をボルツマン方程式から形式的に導いたが,平成19年度には,まず輸送係数や境界条件の数値データベースを補足することにより,この流体力学的系を実際に数値解析できる形に整備した.つぎに,これに対する有限体積法による数値解法を開発し,それを用いて正弦波状の界面における蒸気の蒸発・凝縮によって起こる混合気体の流れを明らかにした. 3.その他の研究 平面凝縮相からの二成分混合蒸気の蒸発流に対する解析的・理論的考察を行い,それらの基本的性質を明らかにした.また,二成分混合気体に対する新しいモデルボルツマン方程式を提案し,その性能を数値的に評価した.さらに,化学反応を伴う気体の衝撃波についての研究を行った.
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Research Products
(10 results)