2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ組織に着目した高効率ガスタービン用高温保安部品の安全科学研究
Project/Area Number |
17360046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 和洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50312616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 哲雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80091700)
三浦 英生 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90361112)
駒崎 慎一 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70315646)
玉川 欣治 東北大学, 大学院・工学研究科, 技術補佐員 (30005368)
佐藤 康元 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師(研究機関研究員) (30396460)
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Keywords | ガスタービン / 経年劣化 / Ni基超合金 / 熱遮蔽コーティング / ナノ組織 |
Research Abstract |
初年度である平成17年度には、ガスタービン用保安部品の材料劣化メカニズムの解明に着手した.材料劣化評価は,Ni基超合金基材およびNi基超合金+熱遮へいコーティング(TBC)について評価を実施した. Ni基超合金基材の材質劣化メカニズム解明に関しては,Ni基超合金を構成している母相である_'相と析出強化相である_相に関し、クリープに伴う劣化メカニズムの検討を行った.特に,クリープ寿命比を変化させた試料に関し,合金元素のナノオーダーの偏析をオージェ電子分光装置(AES)により評価した.また,応力の負荷・無負荷による合金元素の偏析に関しても評価を行った.その結果,クリープ寿命消費に伴い,CrおよびCoがγ/γ'界面近傍に偏析することを明らかにした.この偏析がクリープ中の粒内き裂の進展パスになる可能性が示唆された.また,熱のみで応力無負荷の試料に関しては,合金元素の偏析は認められず,偏析が応力により発生することを明らかにした. TBCの劣化に関しては,TBC/ボンドコート界面に成長する酸化物が高温・高応力負荷環境下では拡散が加速され,厚く成長することを明らかにした.また,応力の効果を含む酸化皮膜成長予測式を提案し,応力負荷によって,無負荷の場合よりも20%程度酸化皮膜が厚くなることを示した. さらに,高周波の電磁波を用いたTBC/ボンドコート界面に成長する酸化物の非接触非破壊評価手法の開発に着手し,各層の反射信号から酸化物生成・成長を非破壊で評価することの可能性を見いだした.この結果を受け,来年度は酸化物の定量的非破壊評価を実施する.
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Research Products
(5 results)