2006 Fiscal Year Annual Research Report
燃料電池システム構成材料の超長時間疲労強度に及ぼす高圧水素ガス雰囲気の影響
Project/Area Number |
17360052
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野口 博司 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (80164680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東田 賢二 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (70156561)
尾田 安司 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (20091340)
青野 雄太 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (70264075)
濱田 繁 九州大学, 大学院工学研究院, 講師 (90432856)
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Keywords | 水素 / 燃料電池 / 金属疲労 / き裂伝ぱ / 疲労限度 |
Research Abstract |
(1)オーステナイト系ステンレス鋼SUS304の微小穴材から発生した疲労き裂は大気中のみならず窒素中、水素中でも停留挙動を示し、水素中の疲労限は大気中のそれよりやや高い。疲労き裂が停留にいたる過程は、水素中、大気中、水素中で異なっている。また、種々のひずみレベルにおいて疲労き裂伝ぱ挙動を調べた結果、SUS304の場合、高速度域での疲労き裂伝ぱ速度は、水素中>窒素中>大気中となり水素中の方が危険側となるが、極低速度域では大気中>窒素中>水素中となった。SUS316Lにおいても程度の差こそあれ、SUS304と同様であった。このことは、疲労限近傍での耐水素材料としての評価は高き裂伝ぱ速度域でのそれと異なる可能性があることを意味する。 (2)低炭素鋼S1OCの疲労破面を窒素ガス中と水素ガス中でのものについて比較すると、窒素中では延性的な破面がほとんどの領域にあっても、水素中では比較的低速度域で粒界破面、高速度域で脆性ストライエーションなどが見られる。水素中で粒界を進展するき裂のその場観察の結果からは、粒界を進展中、疲労き裂伝ぱ速度は加速することが観察された。しかしながら、試験片表面には交互すべりと見られる痕跡がみられ、き裂は徐々に進展し、き裂伝ぱの加速はすべりを介してであることが示唆された。 (3)アルミニウム合金A6061-T6の疲労き裂伝ぱ速度は試験周波数の低いほうが高くなる。実用的な周波数依存性の評価法について実験的に検討した。またSUS304、SUS310Sについても試験周波数依存性を一部評価した。 (4)JIS2種の純チタンの水素含有量を測定した結果、十数ppmの水素を含有していることが分かった。大気中における疲労き裂発生過程および伝ぱ過程をレプリカ法によって詳細に観察した。
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Research Products
(6 results)