2006 Fiscal Year Annual Research Report
高充填竹繊維強化熱可塑性樹脂グリーンコンポジットの開発
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17360053
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
藤井 透 同志社大学, 工学部, 教授 (20156821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 達也 同志社大学, 工学部, 教授 (70434678)
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Keywords | グリーンコンポジット / 竹繊維 / 射出成形 / コンパウンド / 環境 / 持続的再生産可能天然資源 / セルロースミクロフィブリル / ポリプロピレン |
Research Abstract |
昨年度の研究成果を基に、国内の竹林から長竹繊維(束)を高品位・安価に取り出す実用的な方法を開発した。そのプロセスは以下の通りである。(1)節間で竹棹を切断する。(2)(太さに応じて)縦に8〜12分割する。(3)スライサーで厚さ1mm以下に薄板化する。(4)0.5〜2%NaOH水溶液(60〜90℃)でアルカリ壌解する。(5)壌解した竹薄板をローラで圧潰する。(6)針を密に取り付けたドラムを回転させ、これに、(5)で圧潰した竹薄板を当てる。これにより直径15cmの真竹からは長さ20cm以上、差し渡し長さ0.2mm程度の竹繊維束が安定的に取り出せることを確認した。これらの繊維を用い、以下の事柄についても明らかにした。 (1)竹繊維強化FRPの強度特性と耐水性、成形性竹長繊維をガラス繊維代替としてFRPに利用することを試みた。実用的な観点から竹繊維束はマット状で供給することとした。そのため、ランダム繊維強化となる。また、成形に当たっては強化材(マット状)が剛直なため、RTM(今回は、Va-RTM)を用いた。その結果、成形性に問題は無く、通常の(熱硬化)樹脂で十分成形容易であることを確認した。ただ、ニードルパンチ・マットではVa-RTMの場合竹繊維がフィルムを貫通し、気泡の入ることがわかった。したがって、強化材にはニードルパンチを行わないほうがよい。また、耐水性については難のあることがわかった。したがって、成形品で後加工により繊維がエッジから露出する箇所では適切な防水処理の必要性がある。 (2)成形品中の繊維のアスペクト比の解明熱可塑性樹脂を用いた射出成形グリーンコンポジット・ペレット中、および成形後の成形品中での竹繊維のアスペクト比を明らかにした。その結果、用いる竹繊維束が太いと混練および射成形時に繊維が折損し、アスペクト比は10以下になった。 (3)竹MFCの抽出とその利用爆砕により取り出した竹繊維を用いてMFCを取り出し、これをPLAと高含有する技術を開発した。そのため、水溶性PLAを用いて竹MFCを均一に分散させ、同MFCを50%以上含有するPLAペレットを製造できた。これを用い、携帯電話用レンズケースを成形することに成功した。成形品は実用的である。
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Research Products
(5 results)