2007 Fiscal Year Annual Research Report
高充填竹繊維強化熱可塑性樹脂グリーンコンポジットの開発
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17360053
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
藤井 透 Doshisha University, 工学部, 教授 (20156821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 達也 同志社大学, 工学部, 教授 (70434678)
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Keywords | グリーンコンポジット / 竹繊維 / 射出成形 / ポリ乳酸(PLA) / 環境 / 持続的再生産可能天然資源 / セルロースミクロフィブリル / ポリプロピレン(PP) |
Research Abstract |
本年度は以下の成果を得た。 1.竹繊維との複合によりPLA/PPなどの熱可塑性樹脂(TP)の機械的および熱的特性の改善 孟宗竹から取り出した長さ10mm、径約100μmの竹繊維を、2軸混練押出機を用いてBGC(竹繊維強化グリーンコンポジット)ペレットを製造した。スクリュー形状を調整し、繊維折損の少ない混練条件を見出した。TPの溶融温度を高めに設定し、ニーディング・エレメント数を減らすことにより、繊維折損を防げることがわかった。繊維径が太い場合、折損は顕著であった。したがって、竹としては径の細い繊維が取れる慈竹/淡竹が向いている。 2.ナノ化した竹繊維を実用的に複合できる方法および均一に分散させる方法 [1]で小径竹繊維がTP強化に向いていることがわかった。そこで、パルプ状の竹繊維(P繊維)によるPLAの強化を試みた。解したP繊維を不織布状のPLAに巻き込み混練した。P繊維が40重量%以上では材料の粘度が高くなり、通常の射出成形機で製品を作り出すことは困難であった。また、PLAとの界面接着強度は十分でなく、基のPLA以上に高い強度は得られなかった。ただ、衝撃強度(シャルピー衝撃値)は、基のPLAより2倍以上増し、耐衝撃性の向上にP繊維は役立っことがわかった。精密摩砕機と高圧ホモジナイザによりナノ化した竹MFCでも分散性は確保された。また、引張り/曲げ強度および耐熱性は高められたが、衝撃強度の向上は小さい。そこで、界面強度向上を主眼に適度にフィブリル化したP繊維を用いることとした。フィブリル化度は水分吸着によって定量化した。その結果、適切にフィブリル化したP繊維/PLAの特性は、GF20%/ABS以上の性能を発揮した。 3.MFCによる低線膨張係数のディスクの試作 高度フィブリル化竹繊維にナノ・シリカ粒子を添加して高圧成形により厚さ5mmの円盤を製造した。その線膨張係数は〜7ppm/℃程度であった。曲げ強度も150MPaを得た。これにより、ディスク材料としての可能性を示せた。
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Research Products
(5 results)