Research Abstract |
平成17年度は,(1)高精度な発色制御,(2)発色安定化のためのタグチメソッドによる管理,(3)超高精度,極低価格なマイクロリソグラフ技術を構築の三つを研究テーマとして挙げており,各研究実績を以下に示す. (1)高精度な発色制御 高精度発色制御のシステムづくり,実験,評価を100%完了し,当初の目的を達成した. (2)安定化ためのタグチメソッドによる管理 とくに発色が困難な緑系色,赤系色に関して,タグチメソッドによる品質工学の技術を用いて,レーザ照射条件の中から,安定して発色するための制御因子の決定を行なった.具体的には,温度,湿度,電源安定性などの環境因子,レーザのフォーカス誤差などをそれぞれ誤差因子,レーザ出力電圧,トラッキング回数,ディフォーカス量,照射速度を制御因子として,各制御因子から酸化膜厚と発色を安定して生成できる制御因子を決定した.しかし,この作業は,タグチメソッドで行うよりも,ニューラルネットワークを用いた逆解法のほうが有効であることが判明し,以後,このシステムを使用することにした. 超高精度,極低価格なマイクロリソグラフ技術を構築 高さ精度に関して,目視色観察によって10nm程度の精度で,生成された膜厚の誤差を把握することができ,さらに,その目視色観察の結果と先の発色と酸化膜厚の互換図を利用して,さらに仕上げのためのレーザ追照射する手法の確立とその評価を行った. この目視色観察によって10nm程度の精度で高さの精度をチェックできることで,このマイクロリソグラフ技術は,高価な計測装置を要しないこと,加工に真空環境を必要としないこと,リアルタイムでチェックと追加工が可能であることなど特長を有しており,従来のナノ加工に比べてきわめて生産性が高く,極低価格な加工技術になることが提案できた.
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