2006 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケール流動現象に対するボルツマン/ナビエ・ストークス統合解法の研究
Project/Area Number |
17360079
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森西 晃嗣 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20174443)
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Keywords | 計算流体力学 / マルチスケール流れ / マイクロ流れ / 気体分子運動論 / ボルツマン方程式 / 希薄気体流れ / シュミレーション / 統合解法 |
Research Abstract |
本研究課題では、平成17年度と18年度の2年間で、気体分子の平均自由行程のオーダから連続体のオーダまでのマルチスケール流動現象に対する、信頼性が高く経済的なボルツマン/ナビエ・ストークス統合(ハイブリッド)解法の研究開発を目指した。このうち、平成17年度では、流れの状態から適切な支配方程式を自動選択するための評価関数の研究とボルツマン解法とナビエ・ストークス解法の結合手法の研究を行った。続いて平成18年度では、主に、次の2項目に対する研究を行った。 1)支配方程式の自動選択機能を組み込んだ統合解法の構築 平成17年度の研究成果を踏まえて、GarciaのB関数を流速により正規化した評価関数を組み込んだボルツマン/ナビエ・ストークス統合解法コードを作成し、基本的な2〜3の非平衡流れ場に適用して信頼性の検証を行ったところ、汎用性の点で問題が生じた。そこで評価関数の再検討を行い、密度と流速および温度の勾配に基づく局所クヌッセン数を流速で正規化した評価関数が汎用性の点でも優れていることを見出し、支配方程式の自動選択機能を含んだ統合解法の構築に成功した。 2)パラレルコンピュータでの統合解法の実装検証 分子流から連続流までのマルチスケール流動現象に対するボルツマン/ナビエ・ストークス統合解法は、現時点で最も正確で効率的な解法と考えられるが、それでも単独のナビエ・ストークス解法と比較すれば、計算負荷(必要な演算量や記憶容量)は多大であり、パラレルコンピュータでの実装が不可欠である。そこで、パラレルコンピュータで実装可能なコードを作成し、8CPUクラスターでコードの検証を行った結果、従来のボルツマン解法と比較して、滑り流領域で10倍以上の計算効率の改善が達成できた。
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Research Products
(6 results)