2006 Fiscal Year Annual Research Report
エアリフト型動物細胞培養槽のミリ・マイクロ・ナノフルイディクス
Project/Area Number |
17360082
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡部 正夫 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (30274484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 俊之 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (50403978)
澤江 義則 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (10284530)
杉村 丈一 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (20187660)
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Keywords | bubble / wake / cell / extra cellular matrix / visualization / transport phenomena |
Research Abstract |
昨年度より引き続いて気泡流動を用いたエアリフト型動物培養細胞槽の生産性向上のために、(1)「上昇気泡挙動」と(2)「細胞の輸送現象」の見地から研究を行った。 均一気泡流動を実現するためには、最適な気泡数密度すなわち、気泡径および気泡間隔を決定する必要がある。界面活性剤の影響が気泡挙動には非常に重要となってくるために、昨年度に引き続き超純水中における気泡挙動を観察した。単一直線上昇気泡の場合には、気泡径が小さい場合にはMoore解に一致するが、大きくなると最大8%の誤が差生じることがわかった。自由界面と上昇気泡の反発においては接触時間は突入速度によらず一定であり、反発過程におけるエネルギー散逸は非常に小さいことがわかった。超純水中における並行して上昇する2気泡間に働く相互作用に関しては、2気泡が合体する場合には気泡形状変化を伴って速度低下が見られた。反発する場合にも大きな速度低下が観察された。 また、シリコンオイル中に紫外線誘起フォトクロミック染料を溶解し、気泡の後流の可視化観察を昨年度に引き続き行った。並行して上昇する2気泡が衝突後に反発する場合には、気泡後部に発達した後流が衝突と同時に剥離し、2気泡間に入り込み衝突後の気泡挙動に大きな影響を与えることがわかった。また、繰り返し反発する場合には、気泡後部に発達するdouble thread型およびhorse-shoe型後流が観察され、単一上昇気泡の挙動との類似を観察した。 さらに、昨年度に引き続き、細胞活動と細胞外マトリックスにおける輸送現象に着目し、細胞周囲における物質輸送現象を解明するために、ジェル内に懸架された動物細胞(牛由来軟骨細胞)と細胞代謝によって細胞周囲に構築される細胞外マトリックスにおける糖の拡散現象を可視化した。細胞活動により細胞周囲には細胞外マトリックスの形成が観察され、特に拡散種の電荷の影響が大きいことを観察した。
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Research Products
(6 results)