2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブルによる固液界面損傷低減技術の開発研究
Project/Area Number |
17360085
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
二川 正敏 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (90354802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 洋一郎 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60111473)
長谷川 勝一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (90391333)
粉川 広行 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (00354738)
沖田 浩平 独立行政法人理化学研究所, 知的財産戦略センター, 研究員 (20401135)
藤原 暁子 東京大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40396940)
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Keywords | マイクロバブル / 陽子線 / 水銀 / パルス核破砕中性子源 / 圧力波 / キャビテーション / ピッティング損傷 / 可視化技術 |
Research Abstract |
核破砕中性子源水銀ターゲットのパルス陽子ビーム入射時に発生する水銀中のキャビテーション気泡について、バブルダイナミックスを適用した数値解析および衝撃圧力負荷試験における高速度ビデオカメラを用いた気泡崩壊挙動観測を行った。その結果、水銀中では、圧力が負圧限界に達した後に気泡の成長が始まること、気泡の成長から崩壊までの過程は負圧保持時間と除荷時間に依存することを明らかにした。また、音響振動計測により得た気泡崩壊に励起される高調波振動と、気泡崩壊のタイミングは良い一致を示し、実機の音響振動計測により運転中のキャビテーション気泡挙動のモニタリングが可能であることを明らかにした。さらに、米国ロスアラモス国立研究所で実施したマイクロバブルを注入した水銀に陽子線を入射する実験で、水銀容器の変位速度を計測した結果、変位速度がマイクロバブル注入により低下することを確認した。 力学的非平衡状態における気泡の体積運動、気泡収縮時の内部気体の温度上昇による周囲流体への熱散逸を考慮した解析を行い、本研究で提案する損傷低減技術において、マイクロバブルの混入による1.液体金属の熱膨張に伴う圧力上昇の緩和、および2.圧力波伝播過程における波の分散と減衰等の影響に関する知見を得た。 また、音響式気泡計測装置の気泡径計測およびボイド率計測に対する問題点の究明を行うために、水-空気系において実験を行った。音響式計測と同時にカメラを用いた可視化を行った結果、音響式計測では大径気泡(直径100mm以上)の存在について過大評価する傾向、またバルクのボイド率について過小評価する傾向にあることを明らかにした。これらは、低周波数の超音波が密に微小気泡が存在する領域において減衰しやすいために生じると考えられる。
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Research Products
(6 results)