2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブルによる固液界面損傷低減技術の開発研究
Project/Area Number |
17360085
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
二川 正敏 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主幹 (90354802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 洋一郎 東京大学, 大学院工学研究科, 教授 (60111473)
長谷川 勝一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究員 (90391333)
粉川 広行 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究員 (00354738)
沖田 浩平 独立行政法人理化学研究所, 知的財産戦略センター, 研究員 (20401135)
藤原 暁子 東京大学, 大学院工学研究科, 助手 (40396940)
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Keywords | マイクロバブル / 陽子線 / 水銀 / パルス核破砕中性子源 / 圧力波 / キャビテーション / ピッティング損傷 / 可視化技術 |
Research Abstract |
衝撃荷重負荷装置を付加した水銀ループを用いて、ガス気泡注入法によるパルス圧力負荷に伴う圧力応答の低下及びピッティング損傷の軽減化に関する実験を行った。多孔質焼結金属ノズルによりガス気泡を流量比(ガス/水銀)で約10^<-4>程度注入した。ガス気泡の注入により、衝撃圧負荷時に発生する負圧が低減されると共に、損傷が著しく軽減できることを確認した。さらに、ガス気泡注入がキャビテーション気泡生成挙動に及ぼす影響について、高速度撮影及び気泡力学解析により検討し、ガス気泡注入時にはキャビテーション気泡が生成しないこと、わずかな負圧の変化が気泡生成に大きく影響することを明らかにした。 液体水銀中におけるガス気泡生成に関する固液界面の影響を明らかにするために、高輝度X線による気泡可視化実験をSPring-8で実施した。外径200μmの微細ノズルから生成されるガス気泡は、水銀のステンレス鋼に対して濡れにくいため、気泡はノズル外周を取り囲むように成長することを確認した。この可視化実験結果に対して、気泡に作用する力に関する平衡式に固液界面張力を考慮した半実験式を適用し、固液界面張力に関する補正係数を同定した。補正係数を用いた数値解析を実施し、気泡上昇方向に対して平行な水銀流れを与えることで、先の数値解析(前年度実施)により推定した衝撃圧低減に有効な100ミクロン程度の微小バブルが生成可能であることを示した。 ピッティング損傷と疲労損傷の重畳効果、及び水銀の疲労強度に及ぼす影響を評価するために、ピッティング損傷を付加した試験片による大気中及び水銀中疲労試験を行い、疲労限がピッティング損傷により1/2以下に低下すること、及び水銀浸漬時間に依存した疲労強度の劣化を見出した。これは、ステンレス鋼の水銀脆化を示唆している。 なお、制御可能なガス気泡の水銀注入法の確立、及びステンレス鋼の水銀脆化の定量評価と機構解明が今後の課題として残された。
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Research Products
(7 results)