2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360094
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中別府 修 明治大学, 理工学部, 教授 (50227873)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / 走査型熱顕微鏡 / 熱物性 / カンチレバー / MEMS |
Research Abstract |
本研究は,走査型熱顕微鏡(SThM)上で,ナノスケール空間分解能と定量性を備えた局所熱伝導率計測法を開発することを目的とする.これまで,SiO2を基盤としたカンチレバー上に,熱流計測用サーモパイル,温度計測用熱電対,プローブ加熱用ヒーター,接触熱電対用電極を集積したプローブを試作し,接触熱コンダクタンスと接触部温度を同時計測することで局所熱伝導率を計測する手法に関して問題点を検討してきた.今年度は,カンチレバー上の熱電対センサの感度較正を正確に行う手法の検討,プローブ先端部の構造の単純化を検討した.結果として,顕微レンズを付けた赤外線放射温度計を用い,微小なカンチレバー内での発熱分布の検証が可能なこと,能動温度計測法により,熱電対の較正が可能なことが確認された.また,カンチレバー先端部の電極構造がSiO2/Ni/Ptの三層構造であり,酸化防止層として被覆したPt層での温度変化が大きく,熱流検出感度が悪いことが考察され,プローブ先端の電極構造を単純化し,SiO2/NiまたはSiO2/Ptの二層構造のプローブを試作することとした.さらに,試料の熱伝導率計測は,試料に被覆された金属薄膜を介して行われるため,この金属薄膜の影響がどの程度の広がりと熱伝導率計測精度に影響するかを熱伝導解析により評価し,精密な熱流計測が必要なことが分った.
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Research Products
(2 results)