2005 Fiscal Year Annual Research Report
多指ハンドロボットの高次運動機能を自立的に獲得するための制御と情報処理
Project/Area Number |
17360106
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 義一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60126894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 健治 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10293903)
長瀬 賢二 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (70303667)
中島 明 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70377836)
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Keywords | 機械力学・制御 / 知能ロボティックス / 機械学習 / モデル化 / 計測工学 |
Research Abstract |
本研究では、多指ハンドロボットにおける高次運動機能の獲得を自立的に可能とする制御法ならびにセンサー情報処理法を開発することを目的とし,(1)安定な把握制御と巧みな操り制御を実現する制御方法を理論的に構築すること、(2)多指ハンドロボットが把握・操りなどの行動を実施する中から,上記の制御方法を自立的に獲得するメカニズムを開発すること、(3)指の各関節角情報,指先の力覚情報,CCDカメラの視覚情報を統合した情報処理によって,多指ハンドロボットに対する把握対象物の相対的な位置・姿勢を正確に推定する方法を確立すること、(4)上記の制御方法,スキル獲得方法,統合情報処理法の有効性,問題点を実際の多指ハンドロボットシステムで実機検証すること、を実施するものである。 本年度得られた成果は以下の通りである。 1.多指ハンドロボットの各指と把握対象物との多様な相対運動(離れているか接触しているか,接触している場合は固定接触か,滑り接触か,転がり接触か)によって生じる力学的拘束条件を考慮しつつ,安定な把握と巧みな操りを実現する力学的に自然なフィードバック制御則の導出を試みた。その結果、(1)「巧みな操り」には接触点位置の情報が極めて重要な働きをすること、(2)非ホロノミック拘束を考慮することで、把握対象物の位置・姿勢と接触点位置を同時制御できるアルゴリズムを開発した。 2.各指先に設置された6軸力覚センサーと2眼カメラによる視覚情報の統合的な情報処理によって、高精度な接触点位置推定法を確立した。 3.ハミルトニアン系の出力フィードバックによる安定化を理論的に明らかにし、非ホロノミック拘束を受けるハミルトニアン系の繰り返し学習制御手法の有効性をシミュレーションと実験で明らかにした。 これらの成果は平成18年度に計画している「高度運動機能を自立的に獲得するメカニズムの開発」のための基礎的知見になるものと確信している。
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Research Products
(10 results)