2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ周期構造を用いた高感度DNAアレイチップの開発
Project/Area Number |
17360110
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三澤 弘明 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30253230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAULIUS Juodkazis 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (80332823)
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Keywords | DNAチップ / 金属ナノ構造体 / 表面増強ラマン散乱 / 微細加工 / バイオセンシング |
Research Abstract |
本研究を遂行するために、半導体微細加工技術により金属ナノ周期構造を作製する方法の確立から研究を開始した。ガラス基板上に電子線リソグラフィーおよびリフトオフにより数10nm〜数100nmのサイズを有する金属ナノ構造体の作製方法を確立させた。金属ナノ構造の厚みは、金属のスパッタ速度を基に堆積時間により制御を行った。これにより、シングルナノメートルオーダーの加工分解能で金属ナノ周期構造を作製することに成功した。作製した構造体の局在表面プラズモンに基づく光学特性を、金属の種類、構造体のサイズ、形状、周囲の誘電率変化および構造間距離の効果など、様々なパラメーターを変化させて検討を行った。これらの結果から、作製した金属ナノ構造体の光学特性は、構造体のサイズ変化や周囲の誘電率変化に対し鋭敏た反応することが明らかになった。したがって、構造体上にDNA分子を固定してハイブリダイゼーションを誘起することにより反応に基づく誘電率変化から局在表面プラズモンのスペクトルがシフトし、高感度にDNAを検出可能な新しい発想のマイクロアレイチップを構築することが可能であることを提案した(特許出願済み)。これらの構造体へのDNA分子の固定化は3'末端にチオール基を有する合成ヌクレオチドを金構造体との共有結合により行った。一本鎖DNAを固定化した構造体上にターゲットDNAのバッファー溶液を滴下し、ハイブリダイゼーションを誘起したところ、ハイブリダイゼーション前後において金属ナノ構造体のスペクトルの顕著なシフトが観測され、本システムが正常に動作していることを明らかにした。また、表面増強ラマン散乱分光測定システムの構築や基礎原理実験をすでに完了させており、次年度の金属ナノ周期構造を用いた高感度DNAアレイチップの開発に向けて研究の準備体制が整っている。
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