2007 Fiscal Year Annual Research Report
多感覚モダリティ記憶メカニズムの解明と痴呆症早期診断システムへの適用
Project/Area Number |
17360117
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
峠 哲男 Kagawa University, 医学部, 教授 (80197839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 景龍 香川大学, 工学部, 教授 (30294648)
河内山 隆紀 香川大学, 国際電気通信基礎技術研究所・脳活動イメージングセンタ, 研究員 (90380146)
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Keywords | 機械工学 / 知能機械学 / 機械システム / 人間機械システム |
Research Abstract |
多感覚モダリティ記憶メカニズムの解明と痴呆症早期診断システムへの適用という研究目的を達成するため、今年度では下記の実験を実施し関連研究成果が得られた。 1)視覚、聴覚および触覚の多感覚モダリティの認知心理学実験と関連結果 視覚特性としては空間注意特性実験と動体視野特性の加齢効果実験を実施して、注意機能の視力依存性と高齢者の動体視野の減少が明らかにされた。聴覚特性としては耳栓の遮音による音源定位実験とマスキング効果による音源検出能力実験を実施して、高齢者の音源定位能力とマスキング効果が明確された。触覚特性としては長さ知覚実験と角度弁別実験を実施して関連特性が定量化された。これらの多感覚モダリティの認知心理学実験の成果は脳波実験とfMRI実験の設計と、痴呆症早期診断システムの設計に基礎データを提供している。 2)多感覚モダリティの脳波・fMRI実験と関連結果 認知心理学実験の結果を考慮して視覚と聴覚の注意相関特性について、脳波実験を実施し視聴覚分割注意に統合メカニズムが存在することは実証された。さらに、視聴覚の選択注意機能と聴覚による言語処理機能については、fMRI実験を実施した。認知心理学実験の離散量、脳波信号の波形と磁気共鳴画像などの実験データを統一基準に変換し多変量解析を行った。解析結果により、注意機能の脳内表現と言語処理の意味と音声処理の機能分離に成功した。 3)視覚、聴覚と触覚の多感覚特性に基づく認知症早期診断システムの考案 以上の視覚、聴覚および触覚の多感覚の認知心理学実験、脳波実験、fMRI実験データとその解析結果に基づいて、視聴覚の方向注意モデル、指の能動・受動による触覚パターン知覚モデル、言語処理モデルを提案した。さらに、視覚、聴覚と触覚検査刺激がそれぞれ小型ディスプレイ、ヘッドホン、触覚デバイスを通じて被検者に呈示される実験装置を製作し多感覚の諸検査による認知症の早期診断システムを考案している。
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Research Products
(17 results)