2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマノイドによる全身を使った器用な物体の把持と操作の実現
Project/Area Number |
17360120
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
有隅 仁 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (00356388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 一仁 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究グループ長 (40358304)
原田 研介 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (50294533)
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Keywords | ヒューマノイドロボット / ダイナミックマニピュレーシ / 全身運動 / リフティング / インパクト / 撃心 |
Research Abstract |
本年度は、ヒューマノイドロボットを対象として系の安定性を考慮して全身運動によって物体を操作し、ある物体把持状態から他の把持状態へ遷移させるための運動計画法ならびに制御法を検討した。具体的には、まずロボットの手先における継続的な力を発生できる状態に関する評価指標として、静的安定な手先可動領域を提案した。これは、ロボットの足部接地位置を変えずに転倒しない状態(静的安定状態)でロボットの手先が静的に取りうる領域である。また、ロボットが把持した物体が床面に接した状態でのロボットの静的安定な手先可動領域も導出した。次に、物体が床面に接した状態からロボットの静的不安定状態を通過して物体を静的安定な把持状態へ到達させる方法を検討した。ロボットが静的に不安定な状態で物体を静的に操作する場合、転倒を防止することは不可能である。また、物体を動的に操作する場合でも、操作開始直後からロボットが不安定となる場合、転倒防止が極めて困難となる。そこで、人間の器用な全身運動を用いた物体操作に着目し、ロボットの全身運動によって事前に生成させる予備動作を利用する新しい物体操作法を提案した。一例として床面に接する物体を予備動作によって持ち上げ、物体が床面から離れた把持状態に物体を持ち替える作業を取り上げ、ロボットと対象物との幾何学的干渉、ロボットと物体の床面上での滑り・傾き・床からの浮上などを回避しながら、事前に生成したロボットの全身運動によって生ずる力積を使って物体を操作する運動計画法ならびに制御法を明らかにした。さらに、物体持ち上げ時に受ける衝撃を抑制するために支持多角形の中心点が撃心となるように持ち上げ姿勢ならびに目標運動を設定する方法を提案し、動力学シミュレータを用いて物体の持ち替え動作が可能であることを確認した。以上の提案手法をまとめ、特許出願し、国内学会に講演会論文として提出した。
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Research Products
(1 results)