2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマノイドによる全身を使った器用な物体の把持と操作の実現
Project/Area Number |
17360120
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
有隅 仁 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (00356388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 一仁 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究グループ長 (40358304)
原田 研介 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (50294533)
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Keywords | ヒューマノイドロボット / ダイナミックマニビュレーシ / 全身運動 / リフティング |
Research Abstract |
本年度は、ヒューマノイドロボット全身のダイナミクスを利用することによって対象物を動的に移動させて物体の把持状態を安定に遷移させる動作の制御アルゴリズムを確立し、実機によりその動作を実現した。具体的には、まず、物体操作のための準備運動に相当する予備動作をロボットが行って全身の運動量を増加させ、その一部を物体に変換することによって瞬時に物体運動を生成し、継続的な力では物体を保持できない不安定な領域を動的に通過する方法を検討した。次に、エネルギー効率ならびに角運動量保存則を考慮して、運動量変換直後の系全体の角運動量を用いた足底中心まわりの回転運動によって物体を操作する方法を提案した。また、回転運動を実現するために倒立振子モデルを用いた系の重心軌道生成法を確立した。さらに、従来のシミュレータで用いられるペナルティ法が大きい衝突速度に対して過度の接触力を算出する問題に対して、高次連立方程式を反復計算するGauss-Seidel法を基盤とする拘束条件を解く接触計算法を導入することにより適切な接触力を算出できる動力学シミュレータを開発し、そのシミュレータを用いて出力特性ならびに幾何学的拘束条件を考慮した物体の把持状態を安定に遷移させるため動作制御法の有効性を確認した。また、物体とロボットとの拘束状態を明らかにするために、光学式の触覚センサを用いた基礎実験により触覚情報を処理するシステムを構築し、視覚情報を補完できることを確認した。最後に、ロボットの全身を使った把持状態の遷移を実現するために、実機HRP-2による物体の持ち上げ動作の実験を行って提案手法の有効性を確認した。以上の提案手法をまとめ、その研究成果を国内学会にて発表した。また、国際会議に講演論文を提出し、採択された。
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Research Products
(2 results)