2006 Fiscal Year Annual Research Report
パルス電子ビーム照射による揮発性有機化合物の高効率分解処理法の開発
Project/Area Number |
17360122
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 正人 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (20251663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 栄喜 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (70114890)
沖野 晃俊 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (60262276)
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Keywords | 電子ビーム / 揮発性有機化合物 / パルスパワー / プラズマ応用 / ワイヤ放電 |
Research Abstract |
本研究は,イオン衝撃二次電子銃により発生させるパルス電子ビームを,揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds,以下VOC)の分解処理技術へ適用し,電子ビームによる物質分解に関する基礎データを蓄積すると共に汎用化学物質処理装置としての実用化を目指して実施した。平成17年度には,衝撃二次電子銃の性能向上と最適化,VOCの導入法および分解生成物の分析法について検討を行った。本年度は,前年度に構築したイオン衝撃二次電子銃を用いて,VOCを含むサンプルガスの分解処理実験を実施し,処理効率の計測,分解プロセスの解明,分解生成物の分析を行った。 分解実験に先立って二次電子銃の基本特性の測定を実施した。プラズマ源から引き出されるイオンビーム電流の測定結果より,加速チャンバー内で電流量が制限されていることが明らかになったので,ワイアイオンプラズマ源の圧力値を最適化した。また,ガス処理室に侵入する電子ビームの空間分布を光化学フィルムを用いて測定し,加速電圧に対する侵入長および電子窓透過量について理論値との比較を行った。その結果,電子窓を透過する電子ビーム量は加速電圧100kVで飽和し,その際の最大到達侵入長は約80mmであることを確認した。また,現状のガス処理室内において,ガス分解に必要なエネルギーが得られていることを確認した。 分解実験は,濃度218ppmのベンゼンおよび104ppmのトリクロロエチレンをサンプルガスとして実施した。電子銃の加速電圧を100kV,照射回数を1000回とした時ベンゼンで約60%,トリクロロエチレンで約70%の分解率を達成した。これより,2kHzの繰り返し運転で約3L/sのベンゼンを処理できる見通しが得られ,小規模な処理施設における高効率VOC分解装置として応用可能であることを示した。
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Research Products
(6 results)