2005 Fiscal Year Annual Research Report
発振波長が温度に依存しないレーザ用GaNAsBi新半導体混晶の研究
Project/Area Number |
17360140
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾江 邦重 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (20303927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 昌広 京都工芸繊維大学, 地域共同研究センター, 教授 (20210776)
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Keywords | 半導体レーザ / 温度無依存波長 / GaNAsBi混晶 / 分子線エピタキシャル法 / 波長多重光通信 |
Research Abstract |
次世代光通信の技術革新に貢献すると考えられる,周囲温度により発振波長が変動しない波長多重通信用半導体レーザ創製に向けての研究を行っている。この目的のため,我々は新半導体GaNAsBi混晶を分子線エピタキシャル法により創製し、そのエビ成長層の光学的評価を行い、またデバイス化のためのプロセス技術、測定技術等の技術確立を行った。GaNAsBi混晶のバンドギャップの温度依存性は,ホトルミネセンス(PL)測定により0.16meV/Kであり、通常のGaInAsP混晶に比較するとほぼ1/3であることが確認されているが、この材料の創製には低温成長が必要なため、成長層のPLが光らないという問題点があった。そこで,GaNAsBi混晶の光学的特性の改善のために、成長後の熱アニール技術について検討し、窒素ガス雰囲気中でのランプアニールとMBE成長装置中でのAs照射時の30分間アニールを比較した。その結果、後者の方法が光学特性の改善には有効であることが分かった。我々の装置には、p型ドーパントがないので、NTTのMOVPE成長研究者に依頼し、上記の方法でアニールしたGaNAsBi混晶上に、ZnドープGaAsクラッド層及びキャップ層を成長した。そして、そのダブルヘテロ構造をプロセスし、ストライプ電極GaNAsBi/GaAsダブルヘテロ(DH)構造レーザを作製した。そして、電流注入によるレーザ発振実現の試みを行った。今まで、パルス測定によるスペクトルの測定技術が未確立であったため,まずパルス光測定のための測定器や実験系の確立を行った。作製したレーザの電流電圧(I-V)特性を測定すると,明瞭な整流性が得られたが,立ち上がり電圧が大きく,高い注入電流でpn接合が破壊された。低い注入電流(60mA)でエレクトロルミネセンス(EL)測定によりスペクトルを確認したところ,100Kから300Kの温度範囲で,ELスペクトルピーク波長の温度依存性は0.09nm/Kであった。これは,活性層材料に従来的に用いられているInGaAsP FPレーザの発振波長温度依存性が0.4nm/Kであるのに対し,1/4程度に低減されている。
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Research Products
(9 results)