2005 Fiscal Year Annual Research Report
窒化ガリウムの表面活性化接合とその光デバイスへの応用
Project/Area Number |
17360155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日暮 栄治 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (60372405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 正剛 東京大学, 先端科学技術研究センター, リサーチフェロー (50150959)
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Keywords | 窒化ガリウム / 接合 / 表面活性化 / シリコン / 高速原子ビーム / オーミックコンタクト |
Research Abstract |
窒化ガリウム(GaN)半導体基板は、サファイア(Al_2O_3)基板上へのヘテロエピタキシャル成長で作製されており、このことがGaNの応用を制限している。例えばAl_2O_3基板を用いた青色半導体レーザは、1)明確なへき開面がないためにへき開による共振器端面形成が困難である、2)導電性がないためにp、n電極共にエピタキシャル膜側に形成し、膜中を横方向に電流注入しなければならない、3)熱伝導が悪く高出力駆動では放熱特性に問題がある。そこで本研究では、表面活性化接合という新しいアプローチでGaN基板とシリコン(Si)基板の常温接合を試みた。SiデバイスとGaNデバイスを集積化できれば、ICと短波長デバイスとの集積化も可能になり、幅広い応用が期待される。 本研究では、サファイア基板上に形成したGaN表面およびSi表面にチタン(Ti)/アルミニウム(Al)またはチタン(Ti)/金(Au)をそれぞれ蒸着し、Al/AlおよびAu/Auの表面活性化接合によりGaN基板とSi基板の接合を試みた。これらの材料を選択したのはTi/AlおよびTi/Auは、特にn-GaNのオーミックコンタクト材として有望であり、アロイ化しない状態でもオーミックコンタクトが実現されているためである。試料面に対して45°の方向からアルゴン(Ar)高速原子ビーム(印加電圧1.5kV、電流密度15mA)を600s照射して試料の表面を覆っている酸化膜などの不活性な層、汚染層を取り除き、表面を洗浄、活性化した。表面活性化後、ただちに荷重750N(85MPa)で60s間接触させて接合を行った。その結果、良好な接合が得られ、常温でGaNとSiの接合を実現できた。
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