2006 Fiscal Year Annual Research Report
窒化ガリウムの表面活性化接合とその光デバイスへの応用
Project/Area Number |
17360155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日暮 栄治 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 准教授 (60372405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 正剛 東京大学, 先端科学技術研究センター, リサーチフェロー (50150959)
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Keywords | 窒化ガリウム / 接合 / 表面活性化 / 高速原子ビーム |
Research Abstract |
窒化ガリウム(GaN)半導体は、一般にサファイア基板上へのヘテロエピタキシャル成長で作製されており、GaNの様々な応用を制限している。GaN基板を他の基板に転写するためには、ダメージを与えない低温接合技術を確立する必要がある。そこで本研究では、表面活性化接合というアプローチからGaN基板と異種材料(ガリウム砒素(GaAs)およびアルミニウム(Al))の常温接合を試みた。 接合に用いたGaN試料は、(0001)サファイア基板上に有機金属化学気相成長法により成膜された厚さ3μmのn型GaN薄膜である(表面粗さRa:0.5〜0.6nm程度,原子間力顕微鏡(AFM)測定領域:10μm角)。GaAs基板は、液体封止チョクラルスキー法により育成したn型(100)基板を片面エピ研磨したものである(表面粗さRa:0.3〜0.4nm程度,AFM測定領域:10μm角)。Al試料には、先端部を球面状に加工した多結晶Al棒(純度99.999%)を用いた。これらを真空チャンバにおいて、試料面に対して45°の方向からアルゴン高速原子ビームを照射して試料表面を洗浄、活性化した。表面活性化後、ただちに接触させ(荷重:70〜75kgf)、接合を行った。バックグランドの真空度は、高真空(4×10^-4Pa程度)から超高真空(6×10^-7 Pa程度)領域である。 いずれの試料も常温接合に成功した。GaN/GaAsの接合試料では、1.5〜7MPaのダイシェア接合強度が得られた(真空度:4×1^-4Pa程度)。また、GaN/Alの接合試料では、引張接合強度試験において14MPa(真空度:4×10^-4 Pa程度)〜19MPa(6×10^-7 Pa程度)の強い接合強度が得られた。GaN/Al接合界面の透過電子顕微鏡観察により、原子レベルで接合が実現されていること、および10nm程度非晶質の中間層を介して接合が実現されていることを明らかにした。
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