2005 Fiscal Year Annual Research Report
フェリチンタンパクを用いたバイオナノディスプレイの研究
Project/Area Number |
17360164
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浦岡 行治 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (20314536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冬木 隆 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (10165459)
畑山 智亮 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (90304162)
矢野 裕司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (40335485)
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Keywords | システムオンパネル / シリコン薄膜 / 結晶化 / フェリチンタンパク / ニッケル / 固相成長 / バイオミネラリゼーション / シリサイド |
Research Abstract |
次世代のディスプレイ、システムオンパネルの実現に向けて、低温でシリコン薄膜を結晶化することは、非常に重要である。本研究では、フェリチンタンパクのコアを用いて、シリコン薄膜の結晶化を試みた。バイオミネラリゼーション技術を用いて、フェリチンの内部に、無機の金属を内包することが可能である。そこで、シリコン薄膜の結晶化に、よく用いられるニッケルを、コアに内包させて、低温結晶化を試みた。合成したNi-フェリチン溶液を純水で希釈してフェリチン濃度を調整して、その溶液をガラス基板上のa-Si膜の上に滴下して10分間の吸着を行った。なおa-Si膜は、化学的気相堆積法(CVD法)によって膜厚50nm堆積したものである。Ni-フェリチンの外殻タンパク質を除去する為に、UV/O_3処理を110℃で40分間行った。Niコアが配置されたa-Si膜をRTA(Rapid Thermal Annealing)装置により、大気圧N_2中で、10分間で急速に550℃まで昇温し、その温度で25時間保持し、熱処理した。 UV/O_3処理によって外殻タンパク質が除去された後、Niコアはa-Si膜表面と反応して、Ni_2Siが形成された。最もNiコア密度の高いa-Si膜(2.5×10^<11>cm^<-2>)では、コア間隔が狭く、約100nmφ領域の約20個のNiコアが集まってNi_2Si相の円形の直径約100nmの円形パターンが形成され、そのパターン間隔は約200〜300nmになった。一方、Niコア密度が最も低い試料(2.6×10^9cm^<-2>)では、数個のNiコアが集まり、〜50nmサイズの小さなパターンが2〜3μmの距離を保ってNi_2Siが点在している。 制御された結晶核密度を有するa-Si膜を、RTA装置により、大気圧N_2中で、10分間で急速に550℃まで昇温し、550℃で25時間保持し、固相成長を行った。密度制御されたNi_2Siパターンを初期結晶核とし、NiSi_2を介して50nmのa-Si膜は結晶化が始まる。自然核からの結晶成長よりも優先的にNi_2Si→NiSi→NiSi_2の結晶核形成が低温で進み、Si-Si格子定数に一致するNiSi_2が成長先端位置で成長核となり、非晶質シリコン膜からpoly-Siへの結晶成長が進行したと考えられる。
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Research Products
(2 results)