2006 Fiscal Year Annual Research Report
フェリチンタンパクを用いたバイオナノディスプレイの研究
Project/Area Number |
17360164
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浦岡 行治 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (20314536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冬木 隆 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (10165459)
畑山 智亮 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (90304162)
矢野 裕司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (40335485)
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Keywords | フェリチンタンパク / 薄膜トランジスタ / 多結晶シリコン薄膜 / 金属誘起結晶化法 / ディスプレイ / システムオンパネル / ナノ粒子 / Ni触媒 |
Research Abstract |
本研究ではa-Si膜を用いて固相成長における結晶成長メカニズムの解明を行った。研究手法としてMIC法を用い、結晶核密度制御による大粒径結晶成長メカニズムの解明を課題に研究を行った。核密度制御と位置制御が可能な、新しいSi固相成長法として、ナノサイズ(7nm)のNiコアをシリコン核としたバイオナノプロセスを応用した低温固相成長法BN-poly-Si法を考案し、研究を行った。結晶核としてフェリチンタンパク質が内包するナノサイズのNiコアを用いた。a-Si膜に吸着するフェリチン濃度を調整して、核密度を制御した後、Siの固相成長を行い、poly-Si膜の結晶成長構造を評価した。研究の結果、以下の点を明らかにすることができた。 1)Niコアを内包するフェリチンタンパク質の溶液濃度を制御することによって、基板上に形成するNiコアの密度を10^9cm^<-2>オーダーからの制御が可能である。 2)Niコア形成に不要なタンパク質除去法として、110℃でのUV/0_3処理を用い、a-Si膜表面に露出されたNiコアの反応によりNi_2SiのコアパターンがNiコア配置密度に応じて形成されることが判った。 3)Niコア密度を制御されて形成されたNiシリサイドをNucleation siteとして一つの結晶が成長していることが明らかである。 4)Niコア密度を〜10^9cm^<-2>として、Niシリサイド密度を約8×10^6cm^<-2>に低く制御した場合、Si結晶粒径は平均粒径が2〜4μmの比較的粒径サイズが揃った結晶性の高い結晶粒が優先的に存在することが明らかとなった。 5)本結晶化法を用いたシリコン薄膜を用いて、薄膜トランジスタを作製し、その電気特性を評価した。その結果、非常に良好な電気特性を得ることができ、本手法の優位性を実証することができた。 本申請において提案されたシリコン薄膜の形成方法は、システムオンパネルなど次世代のディスプレイの実現に向けて有望な技術である。
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Research Products
(5 results)