2006 Fiscal Year Annual Research Report
アンテナを集積化したCMOS準ミリ波帯無線通信フロントエンドの研究
Project/Area Number |
17360167
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐々木 守 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (70235274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 穆 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (30263734)
吉田 毅 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (30397989)
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Keywords | ミリ波通信 / 放射型発振器 / CMOS集積回路 / 短距離通信 / マイクロストリップパッチアンテナ / 広帯域通信 / 集積化トランス / 直流-RFパルスパワー変換 |
Research Abstract |
本年度は、超低消費電力、短距離・広帯域RF-CMOSフロントエンド回路を開発すべく、以下の2つのアプローチを評価、検討した。 1.IC上に積層化したパッチアンテナを用いたCMOSミリ波放射型発振器について、設計方法の詳細を検討した。 (1)3次元電磁界シミュレータを用いて、パッチアンテナの誘電体の厚さとアンテナ入力アドミッタンスの実数部、虚数部の関係を明らかにし、標準的なCMOS製造技術で発振可能な条件を導いた。 (2)アンテナの放射効率およびCMOS発振回路の電力効率を同時に検討する協調設計を検討して、無線システム全体で効率の最適化が行える設計法を開発した。 (3)on/offキーイング変調を放射型発振器で実行できるように発振、非発振を制御するスイッチ・トランジスタを導入し、さらに高速データ伝送を実現するため、発振、非発振を高速に切替えることのできるスイッチング技術を開発した。 以上により、500Mb/sの伝送レートと0.12のシステム全体の電力効率を同時に達成することができ、研究成果をIEEE Transactions on Circuits and Systemsに学術論文として発表した。 2.集積化トランスを利用したパルス伝送方式のRF-CMOS回路を考案して、評価システムにて動作検証をおこなった。 (1)集積化トランスによって、直流電力から高周波パルスパワーに変換できる非常にシンプルな回路を考案。 (2)フリップチップ実装技術によってプリント・アンテナを集積化トランスに直接接続できる。 (3)受信回路では、過渡応答解析により設計した多段・短パルス増幅器および非同期レベル再生回路によって低消費電力化を実現した。 以上により、伝送距離50cmの評価システムにおいて、500Mbps/10mWの非同期・無線データ転送を実証できた。
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Research Products
(3 results)