2006 Fiscal Year Annual Research Report
量子ドット構造を用いた新機能光クロスコネクトに関する研究
Project/Area Number |
17360169
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
下村 和彦 上智大学, 理工学部, 教授 (90222041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 順自 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 波動工学研究所非線形科学研究室, 主任研究員 (80393594)
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Keywords | 低次元量子井戸構造 / InAs量子ドット / 波長スイッチング / 自己組織化 / 有機金属気相成長 / 選択成長 / InP基板 / 屈折率変化 |
Research Abstract |
有機金属気相成長法による選択成長を用いたGaInAs/InP多重量子井戸構造屈折率分布アレイ導波路のアレイ導波路の屈折率変化による波長スイッチングに関する研究を行った。個々のアレイ導波路を制御し、波長スイッチング動作が可能となる屈折率分布の理論的検討、また温度変化に限らず、電界印加あるいは光入射による波長スイッチング構造を検討した。理論的には4波長のランダムスイッチングを可能とする導波路屈折率変化量を確認した。実験的には電力印加に対して効率的に温度変化が得られる金属の選択、金属パターニング構造を検討した。そしてアレイ導波路上に熱印加用の電極を設け、温度変化による屈折率変化を利用した素子において異なる3波長の波長スイッチング動作を確認した。異なる3波長において出力ポートが1ポート変わるスイッチング特性、ならびにある1波長において3ポート間のスイッチング動作を得た。ただし、印加電力の大きさに対して温度変化が小さく、出力導波路を一巡するほどの変化は得られていない。 この屈折率分布アレイ導波路へ量子ドット構造を導入した構造について研究を行った。選択成長を用いた量子ドットアレイ導波路の成長においては、通信波長帯で動作可能となる量子ドットの成長条件およびアレイ導波路内での広波長領域での波長制御を実現するための撰択成長マスクパターンの最適化および成長条件の把握を行った。選択成長マスク幅によって波長制御量が変わること、またダブルキャップ法を導入することにより従来より大きな波長制御が可能であることを実証した。さらに歪制御層の導入により、発光波長1.55μmまでの短波化およびアレイ導波路内での150nm程度の発光波長の制御が可能となった。 これらの研究により屈折率分布アレイ導波路が波長スイッチング素子の構造として有効であること、また量子ドット構造が波長スイッチング素子の基本的な導波路コア構造として重要であること、を示すことができた。
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Research Products
(6 results)