2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360170
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
王 学論 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (80356609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 睦郎 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (90356717)
永宗 靖 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (20218027)
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Keywords | 発光ダイオード / 光取出し効率 / V溝基板 / 量子細線 / 導波路 |
Research Abstract |
本研究の目的は形状基板に基づく光取出し効率の極めて高い半導体発光ダイオードを開発することである。平成17年度では、電流注入用の電極をバンドギャップエネルギーの高い結晶面にのみ形成する「電流注入・発光領域分離型」発光ダイオードを提案し、V溝GaAs基板上に成長したGaAs/AlGaAs量子井戸構造を用いてその実証に成功した。サイズ1mm^2のチップから、室温・連続動作の条件において、従来の平坦基板デバイスに比べて約10倍高い15%の光取出し効率が得られている。 光取出し効率をさらに向上させるため、基板による吸収を抑制することが重要であると考えられる。そこで、平成18年度では、V溝間の(001)平坦面および(111)A傾斜面の一部を選択エッチングで除去した後、GaAs基板の一部をさらに選択的に除去するデバイスを提案し、その試作を行った。しかし、このデバイスにおいて、量子細線で発生した光は主にV溝ストライプに沿って進み、試料の端面から外部に出射することが分かった。これは、GaAs基板の一部を除去した試料においてV溝ストライプに沿って強い導波路効果が発生しているのではないかと推測している。したがって、GaAs基板の除去による基板吸収抑制効果を顕著に発現させるためには、V溝断面の寸法を発光波長より十分大きくしV溝ストライプ方向の導波路効果の抑制が重要であると分かった。 さらに、18年度の研究において、(001)平坦面量子井戸発光の取出し効率は、Al_<0.3>GaAs/GaAs量子井戸構造の上下をAl_<0.65>GaAs層で挟み、簡単な導波路構造にすることによって著しく増大される現象を発見した。この現象によって、幅0.5μmの(001)平坦面量子井戸は4.5Kにおいて平坦基板上に成長した量子井戸より5倍も強い発光を示した。現在、この現象を利用した高効率発光ダイオードの作製を進めている。
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Research Products
(3 results)