2005 Fiscal Year Annual Research Report
多波長・多偏波高分解能合成開口レーダによる森林情報計測システムの開発
Project/Area Number |
17360194
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
大内 和夫 高知工科大学, 工学部, 教授 (10289259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 方隆 高知工科大学, 工学部, 教授 (50251468)
堀澤 栄 高知工科大学, 工学部, 講師 (20368856)
島田 政信 宇宙航空研究開発機構, 地球観測利用推進センター, 主任研究員 (90358721)
渡辺 学 宇宙航空研究開発機構, 地球観測利用推進センター, 研究員 (10371147)
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Keywords | 計測工学 / リモートセンシング / 林学 / 映像レーダ / アルゴリズム |
Research Abstract |
2002年と2003年にかけて現地計測された苫小牧の針葉樹林データと2002年に航空機搭載Pi-SARを使って収集されたレーダデータとの相関関係を解析した.X-バンド後方散乱断面積(RCS)と森林バイオマスには強い相関関係は見られなかったが,L-バンドRCSは森林バイオマスの増加ととともに上昇することが分かった.後者の関係は従来の結果と同様であるが,苫小牧森林の場合は約40ton/haでRCSの上昇が止ることが判明した.本研究の成果は,Pi-SARデータのテクスチャ情報から,このRCSの飽和値以上のバイオマスを計測するアルゴリズムを開発し計測精度を検証したことである.まず,レーダ画像振幅と非ガウス統計に従う確率密度関数を比較したところ,K-分布がHVクロス偏波の画像振幅に最も良くフィットし,K-分布のオーダパラメータが森林バイオマスと強い相関関係にあることが判明した.さらに,オーダパラメータはバイオマスの増加とともにRCSの飽和値以上,約100ton/haまで上昇することが分かった.回帰分析から算出された実験式から苫小牧での未計測森林のバイオマスを推定し,アルゴリズムの計測精度を検証するため,2005年8月と9月の2回にわたり現地での森林パラメータ計測を実施した.新しく計測された森林バイオマスと実験式からの推定バイオマスとの回帰分析から,本手法を使うことによって高分解能合成開口レーダのデータから苫小牧針葉樹林のバイオマスを約85%の精度で計測できることを確認した.本アルゴリズムは苫小牧のみならず北海道全域の針葉樹林に適用できると考えられる.2005年11月には異なる地域の森林での検証のため富士吉田での森林計測とPi-SARとの同時観測を実施した.データは現在解析中である.本成果は国内外の学術講演会で発表され,森林バイオマス計測の新しい手法として高い評価を受けている.
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Research Products
(5 results)