2005 Fiscal Year Annual Research Report
有限周波数KYP補題に基づく多目的ロバスト制御系設計法とその応用
Project/Area Number |
17360195
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 辰次 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80134972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土谷 隆 東京大学, 統計数理研究所数理推論研究系, 教授 (00188575)
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Keywords | 制御系設計 / ロバスト制御 / 多目的制御 / KYP補題 / 周波数特性 / 線形行列不等式 |
Research Abstract |
本研究では、研究代表者らが開発してきたKYP補題(Kalman-Yakubovich-Popov Lemma)の有限周波数版である一般化KYP補題の解析に関する成果に基づいて、設計の視点に立った統一理論の構築を目指している。特により実用的な状況を十分考慮した系統的な設計理論の構築とそれらに対する設計アルゴリズムの提案を目的としている。 本年度の研究成果は、以下の通りである。 (1)「設計理論の構築」に関しては、以下の2つの成果を得た。 ・動的出力制御器の設計に対しては、連続時間系に焦点を当て、一般化されたマルチプライア法に基づいた線形行列不等式条件を導いた。また、それに基づいた設計法を提案し、磁気ベアリング系の安定化制御系設計への適用により、その有用性を確認した。 ・サンプル値制御系に対しては、デルタ変換に基づいた線形行列不等式条件を導き、連続時間系との整合性を確認した。また、それに基づく設計例として、3慣性ねじれ系の制振制御のPID設計への適用を行い、その有用性を確認した。 (2)「設計ツールの開発」に関しては、一般化KYP補題用の半正定値計画法アルゴリズムの開発の基礎となる検討を行った。具体的には、一般化KYP補題の最適化問題の双対問題の特徴付けを行い、その構造に着目した内点法アルゴリズムについて検討を始めている。 (3)「応用による検証」に関しては、以下の検討を行った。 ・3慣性ねじれ系の制振制御に対しては、これまでの設計法を適用し、シミュレーションならびに実験により、有限周波数特性に基づく設計法の有効性の確認と問題点の抽出を行った。 ・シーソー系の制御に対しては、次年度の本格的な検討の準備を行っている。
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Research Products
(1 results)