2006 Fiscal Year Annual Research Report
細孔構造モデルによるコンクリート構造物中への腐食促進物質侵入過程の高精度解析
Project/Area Number |
17360203
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
下村 匠 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (40242002)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 泰司 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (40377221)
|
Keywords | 飛来塩分 / 数値シミュレーション / 表面塩分量 / 表面被覆材 / 細孔構造 / 塩害 / 鉄筋腐食 / 拡散 |
Research Abstract |
本年度は,表面被覆材による遮蔽効果と実環境下におかれたコンクリート構造物の表面塩分量の予測について検討した。 表面被覆材の遮蔽効果については,ピンホールや浮き,剥がれ等の欠陥が物質遮蔽性能へ与える影響について実験的に検討した。模擬欠陥を設けた供試体に電位差を与えてイオンを透過させる通電試験を行った。ピンホール,剥がれなどの穴状の欠陥は表面被覆材の領域平均的な物質遮蔽性を損なうことを明らかにした。欠陥の面積率より,欠陥を含む被覆材の平均塩化物イオン拡散係数を算定する方法を提案した。 コンクリート構造物の表面塩分量については,風に輸送され構造物に到達する塩分と,降雨による洗い流しを経て中長期的に付着する塩分とを分け,前者を数値シミュレーションと現地観測により検討し,後者は現地観測および新たな風洞実験により検討した。飛来塩分の現地観測より,構造物の壁面に到達する塩分量は大気中を輸送される塩分量より少ないことが明らかになった。数値シミュレーションにより正確に予測できるのは構造物周辺の大気中を輸送される塩分であるので,表面に到達する塩分は観測結果とのキャリブレーションにより定式化した実験式を併用して求める必要があると結論した。次に,長期的に構造物表面に到達する塩分量を数値解析により予測する方法について検討した。1週間単位の気象・海象条件を計算条件として入力することで,1年間における1週間単位の飛来塩分の輸送量を計算で再現できることが示された。 コンクリート構造物表面に到達した塩分が,日射や降雨による洗い流しを経て長期的に表面に付着するプロセスは理論的な予測が困難であるとの判断から,簡易風洞を用いて実験室における再現実験を行った。到達塩分量と表面塩分濃度は相関関係にあること,降雨による洗い流しの影響を受けることにより,表面塩分濃度は低下することが再現できた。
|
Research Products
(6 results)