Research Abstract |
本研究は,車両通過時に道路橋モジュラー型エクスパンション・ジョイント部から発生する騒音について,その発生メカニズム,人間への影響,および最適な騒音制御法を解明することを目的とする.平成17年度の研究実績は以下のとおりである. 1)試験用モジュラー型ジョイント(実物試験体)に対する打撃試験と有限要素解析により,道路橋モジュラー型ジョイントが構造として有する固有振動数の分布および振動モードを,固体音騒音で対象となる500Hzまでの範囲で解明した.また,2本のミドルビームと止水ゴムが作る空間の固有音響周波数特性を,実物試験体に対する音響特性試験と簡易解析により,500Hz以上の空気破裂音騒音との関連で解明した. 2)試験用モジュラー型ジョイント上を実車走行させ,ミドルビーム,サポートビームの加速度応答,止水ゴム空間からの空隙圧縮音,およびジョイント近傍地上と地下ピット内の騒音を同時多点計測して,実車走行時の騒音特性を解明した.また,実車走行時騒音の非定常性に着目した計測を行って,複数の周波成分の音源を同時に,しかも時間変化に着目して探査した.さらに,騒音発生源ごとに騒音制御策を施した実物試験体について実車走行実験を行い,その効果を確認している.これらにより,ジョイント単体での騒音の各周波数成分の発生源,および発生メカニズムが明らかとなった. 3)モジュラー型ジョイントを有する4主桁合成桁橋を対象として,橋桁振動に起因した騒音や車両走行音を含んだ実橋レベルでの騒音を実測し,車両が道路橋ジョイント部を通過した際の橋梁近傍での騒音特性を解明した.実測では,フィンガージョイントからの騒音も計測して,モジュラー型ジョイント特有の騒音特性を明確にしている.また,ジョイントや橋桁の加速度応答をも測定し,計測データの時間周波数特性等の相関を見て,苦情の要因となる騒音周波数成分とその発生源を考察した.
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