2006 Fiscal Year Annual Research Report
超大型浮体式海洋構造物の実海域長期計測とこれに基づく合理的設計法の開発
Project/Area Number |
17360212
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宇都宮 智昭 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10211773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 俊司 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋空間利用研究グループ, グループ長 (70373412)
佐藤 宏 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋空間利用研究グループ, 主任研究員 (70435775)
湯川 和浩 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋空間利用研究グループ, 主任研究員 (80435776)
正信 聡太郎 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋空間利用研究グループ, 研究員 (80373413)
前田 克弥 独立行政法人海上技術安全研究所, 深海技術研究グループ, 研究員 (90425760)
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Keywords | 超大型浮体 / 実海域計測 / 漂流力 / 弾性応答 / 波浪応答 / 多方向不規則波 |
Research Abstract |
本研究では、南あわじ市において、海釣り公園として運用されている超大型浮体(長さ100m、幅60m、喫水0.5m)の実海域長期計測をおこない、実際の多方向不規則波中での超大型浮体の波浪中応答を把握するとともに、その実データより得られる知見にもとづいて、波浪の空間分布・位相差を考慮できる波浪中弾性応答解析法を新たに構築し、より合理的な超大型浮体の設計法を開発することを目的とする。 昨年度に引き続き、浮体近傍において水圧・流向・流速、浮体上において風速・風向、水平面内動揺、鉛直方向加速度、また浮体側面において相対波高、さらに全フェンダーの伸縮量計測をおこなった。計測は、基本的には24時間にわたっておこなったが、平成18年度においては台風通過等の大きな応答を観測するイベントは生じなかった。そこで、2005年9月6日から7日にかけて台風14号通過にともない大きな応答量を観測した事象をとりあげて、多方向不規則波を考慮した場合における水平方向の動揺解析を実施した。多方向不規則波としての入射波スペクトルの同定にあたっては、磯辺らの方法に基づき求めた。次に、浮体構造物を剛体としてモデル化した上で3自由度系に対する運動方程式を時間領域で解いた。ここで外力としては、不規則波に対する一次強制波力、変動波漂流力、不規則風荷重を考慮し、またラディェーション流体力のメモリー効果及び係留フェンダーのヒステリシスを含む非線形反力特性を考慮した。解析の結果、振幅の有義値において、多方向不規則波としての解析結果は、一方向波を仮定した解析結果に比べ、サージ、スウェイ、ヨーの3方向いずれもより実測値に近い値が得られ、不規則波の多方向性を考慮することの有効が実証されるとともに、ここで使用した解析手法・ツールが実現象を良好に再現できることが確認された。
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Research Products
(2 results)